インフルワクチン供給遅れ 今季流行の可能性も「予約とれず」

県内でも9月からインフルエンザの予防接種が始まっています。

インフルエンザ 今年は大流行!?

画像1: インフルエンザ 今年は大流行!?

昨シーズンは、コロナ禍で感染予防が進んだことなどからインフルエンザの患者数は大きく減少。その反面、集団免疫が形成されなかったと考えられることなどから、日本感染症学会は「今シーズン、インフルエンザが大きな流行を起こす可能性もある」としています。しかし…。

静岡市民・40代:「予約がとれなくて、まだ(接種が)できていない。打ちたいけど。10月の始めくらいにいつものところを調べたらもう埋まっていて、他のところもその後調べたけど、やはり埋まっていて」

今、インフルエンザ予防接種の予約が取りにくい状況が発生しているのです。原因はワクチンの供給が遅れていること。

静岡済生会病院 臼井崇薬剤師:「今年はやっぱり少ない。今シーズン通して、入ってくるペースも遅い印象」

厚生労働省によると、今年は例年並みのおよそ2818万本のインフルエンザワクチンの供給が予定されています。

例年であれば10月末の段階で、供給量の8割~9割が出荷されます。しかし、今年はまだ65%ほどしか出荷されていないのです。

背景には新型コロナの影響が。ワクチンを製造する過程で使う資材が新型コロナ用に回されていることから、インフルエンザワクチンの生産に遅れが出ているのです。

医療現場では、すでに影響が出始めていました。

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静岡済生会病院 臼井崇薬剤師:「流行期前に打っていただきたいので、本当は10月11月に接種を完了させてほしいところで、予約枠を減らさなきゃいけない状況になっているので、本当に打ちたい方が打てていない現状がある」

こちらの病院では今年、予約の受付数を例年の7割程度まで減らし、対象をかかりつけの患者のみに制限しました。しかし、その予約枠も1週間ほどで埋まってしまったそうです。
 
静岡済生会病院 臼井崇薬剤師:「例年だったら『かかりつけ医』とか特に制限を設けていなかったが、基礎疾患をお持ちの方とか高齢者とか、本当に必要な方がいるので、そういった方にしっかり打っていただきたいというところで、どうしてもこちらも心苦しい思い」

接種を終えた人からは…

静岡市民・70代:「基礎疾患をいろいろ持っているので(接種できて)ホッとした気持ち」

静岡市民・70代:「なるべく早めにやりたいと思って。これでいくらか安心して生活できるかな」

供給増えても「予約増やすのは難しい」

画像: 供給増えても「予約増やすのは難しい」

厚生労働省は12月にかけて供給の遅れを解消していくとしていますが…。

静岡済生会病院 臼井崇薬剤師:「今後供給が増えてきたということになったとしても、予約を増やすのは、(当院の)マンパワーの問題もあるので、なかなか難しいところ」

接種の時期が予定よりずれることは、医療機関にとって複雑なスケジュール調整や人材確保の必要があり、対応できるか不安があるといいます。

静岡済生会病院 臼井崇薬剤師:「できればワクチンを接種できればいいけど、接種できなくても感染しないように、うがい手洗いをしっかりする。(感染を)抑えていくことが大切かなと思う」