オミクロン株で感染急拡大 てんてこ舞いの保健所に密着「限界まで来ている」「いつまで続くのか…」 静岡・沼津市

西尾梓アナウンサー(1月26日):「沼津市の東部保健所に来ています。こちらの部屋では、1週間ほど前から職員の数を増やして新型コロナ陽性者の聞き取りにあたっています。取材開始から1時間が経ちますが、休むことなく電話をかけ続けています」

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応援の職員含め10人で聞き取り調査

 沼津市や三島市など8つの市と町を管轄する静岡県東部保健所。県庁から派遣された医療専門職の職員に加え、東部総合庁舎の他の事務所や他の市から集まった職員10人で毎日、陽性者に聞き取りを行っています。

画像1: 応援の職員含め10人で聞き取り調査

職員
「今の状態いかがですか?熱があるとか、咳が出るとか、喉が痛いとか、頭痛があるとか」

 電話では、主に症状についてと、濃厚接触者がいるかどうかを聞き取ります。1日に1人10件ほどの調査を担当。調査は1件あたり短ければ20分、長くなると1時間かかることも。

画像2: 応援の職員含め10人で聞き取り調査

 電話をかけているのは石川勝也さん。所属は土木事務所です。応援のメンバーとして、1月17日から調査に加わっています。

沼津土木事務所管理課 石川勝也主事:「専門用語とかが分からないので、略称で書いてあったりすると、どういう意味なんだろうと、周りの人に聞いて確認したりしている」

 調査をしている部屋を見渡すと、奥に何枚もの張り紙が。

沼津土木事務所管理課 石川勝也主事
Q.こちらたくさん張り紙があるが、なんですか?

A.基本的に自分たちはマニュアルをもらっているので、マニュアル通りに対応をするけど、それに加えて追加情報という形でこの張り紙が張ってあります。

 エッセンシャルワーカーの自宅待機期間短縮についてなどこの日だけで3枚のマニュアルが新たに追加されました。

沼津土木事務所 管理課 石川勝也主事
「対応としては大変です。みんなで共有をしておかないと、自分の方は分からなくなっちゃうので、出来る範囲でここは見るようにしています」

感染者数急増で「パンク状態」

 東部保健所では地域医療課が主体となって新型コロナの対応に当たっていますが、感染者数の急増を受けて、すでにパンク状態だと言います。

東部健康福祉センター 神田洋美医療健康部長
「この地域医療課だけではもう対処できないくらいで、もちろん皆さん残業もやっていますし、かなり厳しいですね」

 今月半ばから増え始めた発生届は、今週に入りさらに増加。多い時は1日に218件もの届け出が…。第5派と比べると倍増しています。

 聞き取りが追い付かず、他の課にも手を借りることに。総務課が比較的、容易な調査を自分の課を含めて5つの課に振り分けています。

画像1: 感染者数急増で「パンク状態」

東部保健所 長澤政廣総務課長
「午前中に、きょうで言えば60件。午後に30件ほど」

 通常業務に加えて、聞き取り調査を行う必要があり、職員の業務量はかなり増えていると言います。

東部保健所 長澤政廣総務課長
「本当に緊急なものはやるんですけど、それ以外のものについては、しばらくストップしながら業務を進めると。とにかくコロナ優先でやっていただくという形になっています。限界まで来ているのがここ1日、2日の話。で、今後これが増えていくとなると、これが長く続くとなると多分職員もなかなか体が持たないのかなという風に考えています」

 総動員で対応に当たっていますが…

東部健康福祉センター 神田洋美医療健康部長
Q.他部署の方から応援があって、人手は足りる状況になりました?

A.いえいえ、全然足りていないです。毎日100件以上の発生届が出ているんですけれども、前日調査しきれなくて、翌日に調査を回すのが100件近く繰り越しているというような状況です。

Q.繰り越すとなると、濃厚接触者の特定も遅れが生じるということ?

A.そうですね…。濃厚接触者だよと、やはり伝えてあげないと皆さん仕事に行ってしまったりということがあるので、早く止めるのは早く調査をしてという風になっているけれども、なかなかそこは十分行き届いていないですね…

 週6日勤務しているという神田さん。精神的にも辛さを感じていると話します。

画像2: 感染者数急増で「パンク状態」

東部健康福祉センター 神田洋美医療健康部長
「毎日毎日これだけ発生届を受理していると、これいつ終わるんだろうというのが正直あります。いつまで続くのかな、いつまでこんな状況で皆さん仕事していかなきゃならないのかなっていうところはありますね…」