【特集 新型コロナ】再延長のまん延防止の解除は 基礎疾患の患者にはどんなリスクが… 浜松医療センター・矢野医師に聞く

今の静岡県内の感染状況について、感染症の専門家は…。

画像: 浜松医療センター 矢野邦夫医師

浜松医療センター 矢野邦夫医師

浜松医療センター 
矢野邦夫 医師:「やはり減少傾向にあると思う」

Q:「高齢者のワクチン接種が進んできているということもある?」

矢野医師:「高齢者が3回打つことで重症化予防も極めて大きいが、発症予防もある程度あるので、確かにその要因はあると思う」

 今後この状況が続いた場合、今月21日まで延長されたまん延防止等重点措置は解除できるのでしょうか?

矢野医師:「私は解除できるのではないかと思っている。というのは今回延長になった最大の理由はコロナ病床が結構ひっ迫していて、ここでまん延防止が終わることによって、さらに感染者が増えた場合、とても病棟は変えられなかったんですけれども、最近入院患者数も減ってきてですね。少し余裕が出てきてるので、もしここでまん延防止が終わって、また感染者が増えたとしても病棟としては受け入れることができるんじゃないかなと、まん延防止終了でいいのかなと思います」

亡くなった人の基礎疾患は高血圧・心血管疾患が最多

画像: 亡くなった人の基礎疾患は高血圧・心血管疾患が最多

 こうした中、県は先日、第6波で亡くなった人の基礎疾患の内訳を発表しました。死亡した27人のうち基礎疾患があった人は24人。重複回答ですが、最も多かった基礎疾患が「高血圧・心血管疾患」で48%。次いで「糖尿病」と「悪性腫瘍」がそれぞれ19%でした。これは何を意味するのでしょうか。 矢野医師:「基礎疾患が多い、複数持っている人が重症化しやすくなるかもしれない、高いということはだいたい推定できていた」

Q:「高血圧を持っている方は(死亡した人に)多いが、単独では、そこまで大きなリスクにはならない?」

 ただ、単独の基礎疾患で死亡につながる可能性は低いと言います。

矢野医師:「単独ではならないですね。 高血圧だけで死亡することはまずないと思います。高血圧プラス何々プラス何々、単独で死亡に直結することはないので、複数の合併症があることによって、死亡することがあるということになる。だいたい4つ以上あると重症化しやすい、死亡率が高いことは推定されているので、たとえば脳血管障害があって糖尿病があって血圧が高くて腎機能障害がある、こんな方が感染すると死亡することがある」

3回目のワクチン接種は必要

画像: 3回目のワクチン接種は必要

 なぜ、複数の基礎疾患があると、コロナで死亡しやすくなるのでしょうか?

矢野医師:「3つ4つの基礎疾患を持ってる方は、元々体力が低下している。なので少しの感染症にも弱い。ですからコロナに限らず、他の感染症、例えばインフルエンザでもそれか風邪でも感染すれば重症化する可能性があるのでコロナに限ったわけではない。ですから複数の合併症は様々な状況によって急激に状況が悪くなることがあるのでこういうことが起こったのかなと思う」

 複数の基礎疾患があり、そこにコロナが加わることで、さらに基礎疾患の症状が悪化すると、コロナではなく基礎疾患で亡くなる場合が多いと考えられるといいます。

では、基礎疾患がある人はどのような対策をしたらいいのでしょうか?

矢野医師:「基礎疾患がある方はその疾患がコントロールされていることが重要だと思う。もし治療が不十分なら相談して診療所にいってコントロールしてほしいと思う」

 そして、基礎疾患の治療とともに重要になってくるのが3回目のワクチン接種だといいます。

矢野医師:「ワクチンを打っても感染するかもしれないし、症状はでるかもしれないが重症化をかなり防げるので ぜひともブースター接種はお願いしたいと思います」