3回目のワクチン接種2カ月前倒しで実施か データの確認や会場確保が課題 前倒しは「非常に難しい」

 感染状況が落ち着いた要因の一つとされるワクチン接種。静岡県内では全体の7割余りが2回目の接種を終えています。「県内ワクチン接種率(14日時点)1回目 76.7% 2回目 73.7%

 こうした中、厚労省の専門家会議は3回目の接種時期について、これまでの方針通り、2回目接種から原則8カ月以上とする一方で、6カ月経過すれば接種を認めることを決めました。前倒しするかどうかは地域の感染状況を踏まえ、自治体の判断に委ねるとしています。

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林輝彦アナウンサー:「政府が新型コロナワクチンの3回目の接種について、2カ月前倒し案を発表しました。静岡市は突然の発表に戸惑いを隠せないようです」

 こちらは静岡市のワクチン接種推進本部。いわば自治体任せとなった『2カ月前倒し』の実現は、非常にハードルが高いといいます。

静岡市保健福祉長寿局 松田仁之保健所統括監:「大きく方針が変わるところは、それに沿って準備をしている自治体にとっては非常に大きな痛手となります。8カ月を少しでも前倒しできないか、というところのですね、6カ月にできるかどうかは別として、そこの部分の検討はやっていく必要があると思っております」

 突然の方針転換を受けて、職員の負担となるのが接種データの『クレンジング作業』です。接種対象者に発送する予診票に記載された内容と、オンライン上に登録されているデータに間違いがないかを確認する必要があります。接種を前倒しするためには、この作業も前倒ししなければならないのです。

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 静岡市では12月1日から医療従事者を対象にした3回目の接種をスタートし、高齢者を対象にした接種は年明けから本格化させる予定です。15日、国から発送された3回目接種用のワクチンが納品されたといいます。

 また、3回目接種では2回目までとは異なるワクチンを打つ、「交差接種」が可能に。現時点で承認されているのはファイザー製だけで、モデルナ製は審議中です。

会場の確保はハードルが高い

 静岡市では接種会場ごとに使用するワクチンを区別する方針で、会場の確保も課題になってくると話します。

静岡市保健福祉長寿局 松田仁之保健所統括監:「経済の方が戻りつつあるという状況にあります。そうしますと、今まで抑えられていた大規模な集団接種会場、例えばツインメッセとかですね、ああいったところがなかなかワクチンの接種会場として抑えるのが難しいということになってきますので、会場の確保は非常にハードルが高い部分はございます」

 そして、何より不安に感じているのはワクチンの供給がスムーズに行われるかどうかです。厚労省はどのくらいの自治体が前倒しで接種するかの見通しは立っていないものの、『ワクチンは十分に確保されていて、配送スケジュールに大きな影響はない』としています。

画像: 会場の確保はハードルが高い

静岡市保健福祉長寿局 松田仁之保健所統括監:「接種計画を作る上ではワクチン供給というのが大前提になりますから、そちらも合わせて、国の方はしっかり情報を出していただきたいと思っております。やはり3回目の接種につきましては、効果は高いと思っておりますので、ぜひ2回目接種を終えた方につきましては、3回目接種も積極的に接種していただきたいと思います」

Q.実際、8カ月から6カ月という前倒しは市として可能ですか?

A.「非常に難しいというのが正直なところです」