新型コロナ対策と熱中症予防…両立に悩む学校現場 文科省「マスク外す指導」を通知 静岡市

 文部科学省は先週、体育の授業などではマスクを外す指導をするよう改めて通知しました。新型コロナ対策と熱中症予防。両立に悩む現場を取材しました。

画像: 新型コロナ対策と熱中症予防…両立に悩む学校現場 文科省「マスク外す指導」を通知 静岡市 youtu.be

新型コロナ対策と熱中症予防…両立に悩む学校現場 文科省「マスク外す指導」を通知 静岡市

youtu.be

マスクを外さない児童も

 静岡市葵区の伝馬町小学校。体育館では6年生の体育の授業が行われていました。

高木裕一先生
「熱中症対策で、練習する時はマスクを外せる人は外して」
「コロナ対策も大事なんだけど、熱中症の方がね、とても怖い時期になって くるので、練習の時はマスクを外す」

 先生の指示で何人かは外そうとしましたが…

「外せる人は外していいよ。距離とってるから、苦しくないようにしてやってね」

 再び外すよう促しても、ほとんどの児童はマスクをつけてマット運動をしました。

 文科省は10日、体育や部活動などではマスクを外す指導をするよう全国の教育委員会に通知しました。5月、政府は同様の指針を示しましたが、各地で体育の授業中などに熱中症で児童や生徒が搬送されるケースが相次いだため、改めて強調した形です。

 こちらの学校では、これまで子ども同士の距離をしっかり確保した上で、常にマスクをつけて体育の授業をしていました。

児童:「(マスクをしていた時)苦しいのもあるし、すごく暑かった」

伝馬町小学校 高木裕一先生
「(これまで)学校として、もし万が一のクラスターとかにならないことも大事だったので、バランスのとり方はすごく難しかった」

画像: マスクを外さない児童も

児童「誰かが感染していると、私たちも感染したら怖い」

 国の指針が示されて以降は校内にポスターを張るなどマスクを外すよう指導していますが、この日の授業中の最高気温は18度と熱中症のリスクが低いと判断し、先生も無理に外すことは求めませんでした。

 マスクなしで授業を受けた子どもからはこんな声が…

児童:「誰かが感染していて、マスクを外していると私たちも感染したら怖いなと思いました」

 息苦しさもなく、思いっきり運動できても感染への不安はあるようです。

マスク外していても熱中症リスクがある

 もう一つ。教育現場を悩ませているのが、例えマスクをしていなくても熱中症のリスクがあるということです。実際、県内では6月10日、沼津市内小学校で体育の授業後に児童8人が、嘔吐や頭痛を訴え熱中症の疑いで救急搬送されました。全員がマスクを外していました。

伝馬町小学校 高木裕一先生:「水分補給であるとか、長時間直射日光が当たるところにいないとか、暑さ対策はきちんとやっていかなければいけないと思います。命を守るという意味では、これからの時期、熱中症がすごく怖いので、大事なことだなと思います」

 感染症対策と熱中症予防。梅雨入りし、本格的な夏が迫っています。