【新型コロナ】土日の感染者43人…相次ぐクラスターと市中感染が要因? 静岡県
静岡県疾病対策課 後藤幹生課長(7日):「7月25日が30人。きょうは最多タイ」
7月25日は浜松市の接待を伴う飲食店などでクラスターが相次いでいた時期です。では今回は、なぜ県内最多タイの感染者が出てしまったのでしょうか。そこには2つの要因があるとみられます。まず1つ目は…。
浜松市で2つのクラスター
高齢者施設でクラスターが発生
7日、浜松市で2つの「高齢者施設クラスター」が確認されました。高齢者施設でクラスターが発生するのは県内で初めてのことです。 林輝彦アナウンサー:「浜松市東区のクラスターが発生したグレィス有玉です。玄関付近のドアは開けられていて、換気も徹底されているように見えます。また入り口には白の紙が貼られていて、新型コロナで面会は当面自粛すると書かれています」
クラスターが発生したのは、「リリーズ」という会社が運営する 浜松市東区有玉の認知症高齢者向けグループホーム「グレィス有玉」と東区天王町の有料老人ホーム「天王謝老夢(しゃろうむ)」の2施設です。感染者は、2施設あわせて22人。入所者9人と、従業員12人、従業員の家族1人です。従業員のうち1人は両施設兼務で働いていました。
浜松市会見(7日) Q 両方の施設で働いている人から感染が広がったとみていい?
浜松市担当者:「その方だけでなく系列施設なので。他にも行き来している方もいる。その行き来が感染の原因になった可能性は高い」
市は、両施設を行き来する従業員から入所者へと感染が広がったとみています。感染した入所者は、現状いずれも軽症者か無症状だということです。
浜松市会見(7日)
Q 集まって食事をすることはある?
浜松市担当者:「グループホームの方はある。食事場所がホールだったり」
Q 入所者と従業員は常時マスクをしていた?
浜松市担当者:「確認していない。市としてはマスクをするようお願いしている」
マスクを外して介助するなど対策が不十分だったことが、感染拡大の一因となったのでしょうか。
近所の80代男性:「クラスターと初めて聞いてね。知らなかった」
近所の80代女性:「100歳の人も感染したとあったから、大丈夫かなと。ここをよく通るんですよ、散歩で」
Q 入居者?
近所の80代女性:「そうです。職員の方が連れて、散歩によく通るが、入所者は全然していないよ、マスク」
伊豆の国市で12人の感染者 市長「市中感染のような状況」
伊豆の国市で12人が感染
そして、県内で感染者が急増している要因、2つ目は…。 伊豆の国市では、この週末だけで、12人の感染者が確認されました。伊豆の国市内では先に、順天堂大学静岡病院で、医師や患者らの間でクラスターが発生しています。しかし、この土日に感染が判明した12人の伊豆の国市民はいずれも順天堂大学静岡病院とは無関係とみられているのです。
伊豆の国市 小野登志子市長
伊豆の国市 小野登志子市長 「小さな5万人の街に、30人近くの感染者が出てしまったということに大変困惑をしております。順天堂大学のクラスターそして、市民の感染ということに関連がなければいいなと願っておりますが、しかし、それならばどうして、この『市中感染』のような状況が起きているのか、ということも考えなければならない」
順天堂大学静岡病院で問題となっているのが、一部の感染した医療関係者が発熱後も勤務を続けていたことです。
静岡県地域医療課 永井しずか技監(7日):「県として一番懸念しているのが、症状があった方が症状が継続しながらも勤務をしていたこと。職員に対しては、朝と夕方の健康状態を確認して、体調不良であれば上司に相談するということをしていたそうだが、一部の医療従事者の中で徹底されていなかった」
順天堂大学静岡病院
しかし、感染した伊豆の国市民の中で、順天堂大学静岡病院の外来を訪れ、医師の診察などを受けたという人は、今のところいません。やはり、関連はないのでしょうか。 これまでの調査で、感染した複数の病院関係者が市内の飲食店で会食を開催していたことがわかっています。
577床の病床を有し、県東部で最大規模の総合病院「順天堂大学静岡病院」。その周辺の街は、「順天堂の城下町」とも呼ばれています。市内の飲食関係で働いているという病院の患者はこう話します。 順天堂大学静岡病院の患者(3日):「悪いけどここの街はね、医者でもっているようなもんですよ。飲み屋とか食べ物屋とか、そういうところ年中行ってるのわかってるから、私もそういう関係で仕事しているけど、もう行ってるところもわかってる。必ず1組2組いるんですよ、先生方が」
県は、順天堂大学静岡病院周辺の飲食店の従業員らを対象に無料の抗原検査を実施することを決めました。その結果を踏まえ、病院から同心円状に検査地域を拡大していく方針です。