県医師会「これ以上の感染拡大は医療崩壊招く」 県担当者「お盆明けには一日1万人もあり得る」 【新型コロナ 静岡県】
病院協会「ほぼ満床。医療は危険水域に入ってきている」
静岡県医師会 紀平幸一会長(5日):「新型コロナの感染が例を見ない速さで拡大しております。医師会としても発熱外来を相当増やして対応していますが、ご承知の通り大変厳しい状況です。お盆の人流増加に伴い、一層の感染拡大が懸念されます。しかし、これ以上急激な感染拡大は医療崩壊を招きかねません」
静岡県病院協会 毛利博会長:「医療従事者の感染あるいは濃厚接触によって病院のマンパワーが減少してきています。もうすでに病棟が一部で閉鎖するという事態が起きていますので、これがこのままどんどん進んでいきますと、通常医療の方にも大きな支障をきたしていく可能性は十二分にあります。ベッドはあるんだけども、それを担う人がだんだん今少なくなりつつある。これをどうするかということが今病院に突きつけられている大きな課題であります」
県全体の病床使用率は5日時点で84.4%と、これまでで最も高い水準にあります。地域別で見ると、県中部で89.5%と90%目前。病床のひっ迫は深刻です。
県病院協会 毛利博会長(5日):「オミクロン株は軽症であるという認識がありましたけども、BA.5は感染力が強くて感染者が増加しています。それでやっぱり感染爆発となって、今だんだん病院の方でも中等症・重症の症例が増加しています。新型コロナ感染者の病床使用率がだいたい80%前後に推移していますので、80%というと20%余っているんじゃないかと言いますけど、実際80%はほぼ満床の状態と思っていただいていいと思いますし、医療は危険水域に入ってきていると私は理解しています」
会見では必要な患者が医療を受けられるように、基礎疾患のない若い世代で重症化リスクの低い人は、通常の風邪と同じ症状ならば
なるべく自宅療養してほしいと呼びかけられました。
県医師会 紀平幸一会長(5日):「一定のリスクがある限り、いかに軽症とはいえ絶対値、要するに感染の絶対値が増加すればリスクも当然増えます。これが病院の病床占有率を上げ、ひいては地域の医療崩壊に発展しかねないという理屈になります。やはり感染しないことが一番大事なことになります。命を救うために必要な医療体制を守れるように我々も力を尽くしますので、県民の皆様のご理解とご協力をお願いします」
ひっ迫する医療現場の負担を軽減するため、後藤厚労大臣は、65歳未満で重症化リスクが低い患者については発生届の記入を簡略化すると発表しました。その上で…。
後藤茂之厚労大臣(4日):「検査キットのメーカー在庫は現在1億6500万回分あり、増産要請も行っております。自治体を通じた医療機関への配布や薬局への配布も強化を図っております」
政府は発熱外来のひっ迫を防ぐために、医療機関に加え、自治体の窓口や薬局で抗原検査キットを無料配布するとしています。県によると、4日に政府から32万回分の抗原検査キットが届いたということです。県は配布方法について検討中としています。
一方、政府による配布を待たずに独自の対応に乗り出した自治体も―。
「早期復帰できるよう支援」 濃厚接触者となったエッセンシャルワーカーに抗原検査キット無料配布 島田市
島田市では 5日から病院や高齢者施設などで働くエッセンシャルワーカーのうち、濃厚接触者となった人を対象に抗原検査キットの無料配布を始めました。
島田市健康づくり課 宮地正枝課長(5日):「保育園や医療機関、市民生活にすごく影響のある職業の方々が濃厚接触者となった場合に、なるべく早期に復帰できるように支援をしていきたいということで考えている」
島田市は3000回分のキットを用意しているということです。
「お盆明けには一日1万人もあり得る」 静岡県担当者 感染対策とワクチン接種訴え
爆発的な感染拡大のピークが見えないなか、静岡県の後藤参事は きのうの会見で…。
静岡県健康福祉部 後藤幹生参事(5日):「このまま上昇傾向が変わらないと、8月のお盆明けぐらいの週には一日1万人ということもあり得るという状況が推測されます。この1週間の一日平均が5500人まで感染者数が伸びている状況なので、来週の今ごろには、多いと一日平均8000人、1週間で5万人ぐらいになる可能性がある。このまま上昇傾向が変わらないと、8月のお盆明けぐらいの週には一日1万人ということもあり得るという状況が推測される」
5日の会見でこう話した 県の後藤参事。感染拡大のピークもはっきりとは分からない状況だとして、あらためて積極的なワクチン接種を呼びかけました。
後藤参事(5日):「接種券が届いた方、ずいぶん前に届いたけどまだ打っていない方、ぜひ1回目も2回目も3回目も4回目も、何回目でも構わないので、直近で打てる回数が回ってきた方は できるだけ早くお願いしたい。私も60歳未満ですけども、基礎疾患の高血圧があるので、あす4回目を打ちに行こうかなと考えている」
行動制限のない夏休みと言われていますが、後藤参事は こう警鐘を鳴らします。
後藤参事(5日):「行動制限をしないということと、ワクチンはもうしなくてもいいんだとか、あるいはマスクを外して会食して騒いでもいいんだとは、全然違うということです。行動制限をしないかわりに、よりしっかりと感染対策とワクチンをお願いしたい」