静岡県で自宅療養中の患者死亡…「電話に出ない」報告のメールを確認できず 感染急拡大で自宅療養者は4000人超
亡くなる2日前に連絡取れず…メールの報告に気付かず、今後は電話連絡も
新たに発表された自宅療養中の新型コロナの死亡。静岡県で自宅療養中の患者が亡くなるケースは、今回が4例目です。患者は死亡が確認された3日前までは健康観察の電話に対応していたそうですが…。
静岡県健康福祉部 後藤幹生参事:「電話に出ないといった情報を、保健所の健康観察をしている者からメールが来たが、それを保健所の方で確認できていなかったという事実がある。これに関しては深くお詫び申し上げる」
患者の健康観察は、県が委託している外部業者の看護師が担当していました。亡くなった2日前に患者が電話に出なかったため、看護師はその日のうちに保健所にメールで報告していましたが、保健所の担当者がメールに気付かなかったといいます。
静岡県健康福祉部 後藤幹生参事
Q.保健所でメールが確認できなかったのは、業務が多忙だから?
A.「だと思う。申し訳ありません。今後はメールだけでなく電話も入れる、必ず保健所に伝わるように、両方の態勢が必要」
県内で相次ぐ自宅療養中に亡くなるケース。先週27日に発表された50代の患者が死亡した事例と今回の事例で共通するのは、いずれも電話での健康観察ができずに亡くなったということです。
ホテル療養を勧めるのは、リスクがある人
8月30日時点で、県内の自宅療養者は4164人。患者への健康観察は以前とは比べ物にならない業務量になっていることも事実です。
静岡県健康福祉部 後藤幹生参事
Q.自宅療養している4000人強には、誰かしら毎日電話をしている?
A.「はい。午前8時9時ぐらいから就寝するまでの夜9時ぐらいの時間帯は、全員の方に電話をするように」
ただ、中には1日3回電話をしてもつながらないケースもあるそうです。県は電話がつながらなかった場合には、自宅を訪問して確認するとしていますが、結果的に今回も自宅訪問がセーフティーネットにはなりませんでした。
そして、もう一つの共通点は『本人の希望による自宅療養』だったことです。
静岡県健康福祉部 後藤幹生参事:「県民にお願いしたいことは、保健所はある一定の基礎疾患がある方、リスクがある方にホテル療養を勧めているので、自身の命を守るためにホテルに入っていただきたい」
「医師、看護師、スタッフはかなり疲労」
医療体制のひっ迫が続く中、病床の確保は大きな課題です。こうした中、8月31日夜、静岡市では市内25の病院と医師会による会議が開かれ、入院から10日が経過し、快方に向かった患者は後方支援病院やホテルでの療養に切り替えることで病床の回転率を上げていくことを確認しました。
静岡市保健所 池田凡美所長:「医療機関の先生方、看護師、スタッフ、かなり疲労されているので、市民の方々は今までも協力いただいていますが、さらに感染予防対策をしっかりしてほしい」