袴田弁護団は9月にも再審公判を開始するよう地裁に申し入れ 県弁護士会会長は正当な判決を求める緊急声明
いわゆる袴田事件の再審=裁判のやり直しについて、袴田巌さんの弁護団は9月にも再審公判を開始するよう静岡地裁に申し入れました。
1966年、旧清水市で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定していた袴田巌さんの再審が今年3月に決まりました。
検察は10日、再審で袴田さんの有罪を立証する方針を示し、審理の長期化が見込まれています。
弁護団は18日、9月以降に予定している裁判所、検察、弁護団で行われている三者協議の期日を再審公判にあてるよう静岡地裁に申し入れました。
角替清美弁護士:
「原則通りきちんと公開の法廷で裁判をしていかなければいけないと。皆さんの見える形で行って正々堂々と裁判をしていきましょう。19日(三者協議の)期日があるため、19日にはこちらの姿勢を裁判所に知っておいてもらいたいと」
会見で弁護団は、非公開で行われている三者協議で、検察が検討状況などを明らかにせず、公正で迅速な裁判の妨げになっていると説明しました。
また、既に双方が請求予定の証拠を示しているため、公判で裁判所が証拠の採用をするかどうかの判断をすることが望ましいとしています。
県弁護士会会長が緊急声明
一方、県弁護士会の杉田直樹会長は、検察が10日に袴田さんの有罪を立証する方針を示したことは著しく正義に反するとして、裁判所に対し緊急声明を出しました。
県弁護士会杉田直樹会長:
「公開の法廷での裁判を速やかに開始して、公平・公正な訴訟指揮のもとで、袴田巌さんに対して、正当な判決を(求める)」
静岡地裁では19日4回目の三者協議が開かれます。