ホースをたどった消防隊員の活動は「問題なかった…」 静岡市繁華街のビル火災 事故調査委員会の設置へ

静岡市の繁華街で消防隊員1人が死亡したビル火災で、死亡した消防隊員より前にビル内に入った別の隊は、基準に従って隊員同士がはぐれないようロープでつないでいたたことがわかりました。

消防局は隊員の活動について「問題はなかったと理解」

画像: 消防局は隊員の活動について「問題はなかったと理解」

13日、静岡市葵区呉服町にあるビル3階の飲食店で発生した火災では、焼け跡から駿河消防署の消防士(37)が遺体で発見されています。これまでに、出火からおよそ1時間後に火元確認のためビルに入った3人の隊員は、基準となっている「隊員同士をロープで結ぶ」という手法を取らず、消防ホースをたどって進入と退出の経路を確保する手法をとったことが分かっています。

 一方で、消火活動のため2度ビル内に入った亡くなった消防士らとは別の3人の隊員らは、基準通りに隊員同士をロープでつなぎ、はぐれないようにしていたことが新たにわかりました。
 静岡市消防局は、火災発生後の会見で…。

静岡市消防局:「今回はある程度床面付近での視界が確保出来ていたと解釈されるため、(ホースを)退出に利用していた。現時点では、活動に対しては問題は無かったと理解している」

 手法については問題がなかったとしていますが、今後、判断が正しかったか検証を進める方針です。

事故調査委員会の設置を決定

一方で、事故を受け24日、静岡地域消防運営協議会の臨時会合が開かれ、田辺信宏静岡市長や染谷絹代島田市長ら静岡市消防局が管轄する3市2町の市長、町長らが出席しました。
 冒頭、亡くなった消防士に黙とうが捧げられたあと、会長の田辺市長が「このような事故を起こしたことは痛恨の極み。情報を共有し、消防広域化の市町の連携をさらに深めていきたい」とあいさつしました。会議終了後、出席者たちは献花し亡くなった消防士の冥福を祈りました。

画像: 事故調査委員会の設置を決定

 会議では、今回の火災について活動状況の検証や再発防止策を検討するため、来月末までに外部の有識者を中心とした事故調査委員会を設置することが決まりました。委員会の開催は4回程度を予定していて、静岡市消防局は来年1月をめどに報告書を公表するとしています。
 また、亡くなった消防士の消防葬を1カ月後に執り行うことも決まったということです。

静岡市
田辺市長:「協議会でも議論したが、原因の徹底究明これにあたるということを、これから全力でこういった関わる協議会全体で取り組んでまいりたいと思っております」