「事故はなぜ起きたのか?」観光バス横転死亡事故受けて、バス車体検証始まる
成田幸正カメラマン:
「午前10時過ぎです。事故車両のバスがレッカーで運ばれてきた。このあとこちらのメーカーの工場で車両検証が行われる」
18日午前10時過ぎ、御殿場市駒門の自動車メーカーの敷地に運び込まれたバス。フロントガラスは大破し、右前輪は不自然に曲がったまま。
13日、小山町須走の県道ふじあざみラインで乗客・乗員36人が乗った観光バスが横転し、74歳の女性が死亡、26人が重軽傷を負った事故。
県警は、午前11時からメーカーや国土交通省の職員、それにバスを運行していた美杉観光の社長ら立ち会いのもと、バスの検証を始めました。
白鳥衛記者:
「正午前です。検証開始から1時間ほど経過し、現在県警によるバスの測量が行われている」
午前中は計測など、バスの車体状況の確認が行われました。進行方向左側の斜面に乗り上げ車体の右側を下にして横転したバス。
捜査関係者によりますと、亡くなった女性が右側の中央付近に座っていたとみられることが新たに分かりました。
事故は一体なぜ起きたのでしょうか…。
過失運転致死の疑いで送検されたバスの運転手(26)は、これまでの警察の調べに対し「ブレーキが利かなかった」と話しています。
一方捜査関係者によりますと、事故現場の手前には、およそ200メートルにわたり、バスのものとみられるタイヤの痕が残っていた他、カーブを曲がった際に横滑りをしてついたとみられる痕もあったということで、フットブレーキの使い過ぎでブレーキが利かなくなる「フェード現象」が起きた可能性もあるとみられています。
午後も続けられた検証。
「午後2時半です。検証開始か3時間以上が経過し、いよいよバスのタイヤが外されます。これからブレーキのドラム部分の色を確認し、フェード現象が起きていたのか調べます」
メインとなるブレーキ系統の検証では、ドラムブレーキに焼け焦げた痕がないか調べたほか、運転席のペダルを実際に踏み異常がなかったか確認しました。
警察は、これまでにドライブレコーダーの映像や速度などが記録されるデジタルタコグラフのデータを押収していて、18日の検証結果と合わせて、ブレーキの作動状況や事故原因を詳しく調べる方針です。