袴田事件弁護団「再審開始ほぼ間違いないと確信」…検察側の実験でも「(犯行着衣の血痕に)赤みが残っていない」

 袴田事件の弁護団は、検察が行ったみそ漬け実験で布に付着した血痕に赤みが残っていなかったとの見解を示しました。

画像: 袴田巌さん

袴田巌さん

 1966年、旧清水市でみそ会社の専務一家4人が殺害された、いわゆる袴田事件では、袴田巌さんの死刑が確定し、現在、裁判のやり直しを求めています。事件から1年2カ月後にみそ樽から見つかった5点の衣類に付着した血痕に赤みが残っていたことが、死刑判決の根拠となっていて、弁護団は長期間みそ漬けされた衣類の血痕に赤みが残ることはなく、捜査側の捏造だと主張しています。

画像: 5点の衣類

5点の衣類

 検察側は当時と同じように、1年2カ月間血の付いた布をみそ漬けにする実験を行い、1日東京高裁の裁判官や弁護団らが実験に立ち会いました。

 立ち合った弁護士によりますと、みそ漬けした衣類を取り出し、血痕の色を確認したところ、一見して赤みが感じられなかったということです。

小川秀世弁護士:「検察官の実験によっても、5点の衣類が犯行着衣ではないということが明らかになって、再審開始はほぼ間違いないというふうに我々は確信している」

 弁護側と検察側は来月2日までに最終意見書を提出し、5日の三者協議で弁護側が最終意見書の内容について口頭で意見陳述を行うとしています。