「破裂音のような音が聞こえた」…静岡市中心部に黒煙　消防車23台で懸命の消火活動も2棟全焼

「破裂音が聞こえ…」

　２６日午後６時半ごろ、静岡市葵区伝馬町の店舗兼住宅から火の手が上がりました。

　こちらは火が出た後、間もない時に撮影された映像。火元と思われるのは１階が居酒屋で２階が住居となっている建物の２階部分です。

「破裂音のような音が聞こえたので外に出たら２階から煙が見えた」

　最初に消防に通報したのは、火が出た建物で営業中だった居酒屋の従業員。その後、火はあっという間に燃え広がりました。この火事で消防車２３台、救急車４台が出動。懸命な消火作業が行われましたが、火の勢いはなかなか弱まりません。

近くには小学校や公園

　火事が起きたのはＪＲ静岡駅から６００ｍほどの場所。近くには小学校や公園もあります。もくもくと黒い煙が上がり、現場周辺は視界が悪くなっていきました。燃え上がる炎。火の粉も飛んでいます。

警察官：「ちょっと離れましょう、火の粉が飛んでいるので」

目撃した男性：「かみさんと散歩で外に出ていたら、煙が臭ってきたので近いなと」

近所の人：「火が消えかかったと思ったら、火の手が上がり始めて、両端に延焼したらしく大繁盛の店できょうも客がいっぱいだったらしいんですけど」

現場には規制線が

警察官：「煙がこっち向いてきたので、ここに居る人は向こうの駐車場まで下がってください」

　出火から１時間ほどが経過しても、一向に収まる気配を見せない炎。現場には警察などによって規制線が引かれましたが、中心市街地に近いこともあり、現場は一時騒然とした状況に。

　また別の場所では、現場へと突入していく消防隊の姿も見られました。

林輝彦アナウンサー（２６日午後８時ごろ）：「先ほどから消防隊による懸命な消火活動が続いているが、火の勢いは収まっていません。いま見えている２階建ての建物の２階あたりです。あちらからオレンジ色の炎が吹き出てきそうになっているのを、水で抑えているような状況です。隣の建物の屋根からも、オレンジ色の炎が見えているのがわかります。この炎は、つい先ほどまではここまで出ていませんでした。もしかしたら火の勢いが強くなっているのかもしれません」

２階の窓ガラスを割って炎に直接放水

　時間が経つごとに勢いを増していく炎。しかし、その３０分後…。

林輝彦アナウンサー：「消防隊の方がはしごで２階まで登っています。窓ガラスを割っています。中の様子を少しうかがえるが、まだ炎は上がっているようです。オレンジ色の炎が見えます」

　窓ガラスが無くなったことで、炎へ直接水が届くようになり、７時間あまりで消し止められました。消防などによると、木造２階建ての店舗兼住宅２棟を全焼したほか、隣接する３階建ての建物にも延焼したということです。

　この火事で、男性２人が煙を吸うなどして病院へ搬送されましたが、けがはありませんでした。

一夜明け実況見分

　一夜明けた２７日、現場では朝から消防などによる実況見分が行われました。警察は、１階が居酒屋で２階が住居となっている建物の２階部分が火元とみて、火が出た詳しい原因を調べています。