最悪の事態はなぜ起きてしまったのか 発見時の体温は40℃ほどまでに… 3歳女児死亡事件から3日 静岡・牧之原市
事件から3日
林輝彦アナウンサー:「女の子が亡くなって3日が経ちます。女の子が通っていた牧之原の川崎幼稚園はきょうも閉園しています。子供の姿はないが、保育士とみられる複数の職員を確認できます」
5日静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で、3歳の女児が送迎バスの中におよそ5時間にわたって置き去りにされ、熱射病で死亡しました。
関係者によりますと女児の体温は40℃ほどにまで上がっていたとみられ、発見時服を脱いだ状態だったことが新たにわかりました。暑さに耐えられずに脱いだとみられています。バスの中では女児が飲み干したとみられる空の水筒が見つかっていて、女児は昼頃に亡くなったとみられています。
須藤誠人アナウンサー:「事件から3日が経ったきょう(8日)、現場には花が手向けられているほか熱さに苦しんだ女児を思ってでしょうか、スポーツドリンクや麦茶などが目立ちます」
献花に訪れた20代女性:「あんな暑い中で水筒の飲み物がなくなるまで、最後まで一生懸命頑張って助けが来るのを待ってたのかなと思ったら…」
園に通う子どもの保護者によりますと、7日に園が開いた保護者説明会に女児の父親も出席し「バスに乗るのを楽しみにしていた」と話していたということです。
また関係者によると、父親が病院で再会した際「『姿が違うのでびっくりしないでください』と言われて中に入りました。『抱っこしてもいい』と言われたので抱っこすると普段の2倍くらい重くて」などと話していたということです。
警察は今後、同じ気象条件の日にバス内の温度の上がり方を調べる実験を行う方針です。
7日の会見で見えてきたこと…
Q:今回被害にあった女の子、見つかった時、水筒が空っぽだった、どう思ったか?
川崎幼稚園 園長:「本当に苦しい思いをさせて申し訳なかったなと今は感じております。暑い中、よくあんな中でいて、本当にかわいそうだったなと感じています」
最悪の事態はなぜ起きてしまったのか。7日の会見で園は、4つの原因をあげました。
川崎幼稚園 副園長:「1つは、バス下車時に乗車名簿と実際に下車する園児を照合する決まりとして伝えられていなかった。2つ目に、バスが幼稚園に到着し、園児がバスに取り残されていないかをダブルチェックする決まりになっていなかった」
明らかになったのは、職員による「確認不足」と「思い込み」の連鎖です。
川崎幼稚園 副園長:「3つ目に、クラス補助が最終の登園情報を確認していなかった。4つ目に、登園する予定の園児が教室にいなかったにもかかわらず、クラス担任が『職員室に確認』、『保護者に問い合わせ』をしなかった」
川崎幼稚園では、休みや遅刻などをする場合、保護者がアプリに、その旨を打ち込みますが、登園する場合は何も打ち込みません。女児の保護者は、何も打ち込んでいませんでした。
しかし…。
川崎幼稚園 副園長:「連絡なく休む園児もいたため、被害園児もきょうはお休みなのかなと考えてしまったところがありました」
Q:欠席と認識していたのでしょうか。連絡なく休む園児もこれまでにいたので彼女もそうだろうと。
副園長:「連絡なく休むことが実際に彼女の場合はなく、お母さんがいつもきちんと連絡をしていたのですが、この日担任は休みなのかなと思ってしまったということです」
女児の両親からは園を廃止することを求められたそうです。
川崎幼稚園 園長:「きのうご遺族にお詫びを申し上げに行きました。私の言葉が足りなかったので、納得していただいた部分もあると思いますし、納得されない部分もありました」
Q:今回の事案はたまたま起きたミスか、起こるべくして起きたのか
園長:「両方だと思います」