裾野市園児虐待事件 市長は9月に園のトラブルを認識も「その時点では気にならなかった」「自分の対応は間違っていない」担当部局との情報共有は適切だったのか?

裾野市 村田悠市長(21日):
「9月20日に、11月28日以前に、さくら保育園でトラブルという認識はあった。しかし、その内容は今回の虐待とは一切関係ない話と認識している」

 裾野市の私立「さくら保育園」で園児を虐待したとして、1歳児クラスを担当していた元保育士の女3人が逮捕された事件。

 裾野市の村田悠市長は21日の定例会見で、暴行の疑いで逮捕された元保育士の一人について、9月の時点で、園とトラブルになっていたことを認識していたと明らかにしました。

画像: 裾野市園児虐待事件 市長は9月に園のトラブルを認識も「その時点では気にならなかった」「自分の対応は間違っていない」担当部局との情報共有は適切だったのか?

「その時点では気にならなかった」

裾野市 村田悠市長(21日):
「内容というのはさくら保育園において不当解雇が行われたという内容。不当解雇を受けたと言われている女性保育士は『裾野市からの指導によって解雇されると園から説明を受けた』と(女性保育士の)家族に対して、裾野市でそのような指導、解雇しろというようなことを言ったことはないと申し上げただけの話」

 村田市長は9月20日に、支援者からこの話を聞いたそうです。
 
 ただ、その内容については…。

Q.保育士が不当に解雇されるとか、園でのトラブルというのは子どもに対して危害を加えられている可能性も当然あるわけで、そこで不当解雇の理由は市長から主体的に聞かなかった?

裾野市 村田悠市長(21日):
「私がその方(支援者)から連絡を受けたのは、市が保育士に対してそのような指導をして不当な解雇をすることがあるのか、指導することがあるのかと、その一点を聞かれたので、そのことしか担当部下に聞いていないし、そのことについての報告しか受けていない」

Q.なぜトラブルが起きているのかは気にならなかった?

「その時点では気にならなかった」

Q.園児が危険な目にあっているかどうかは想像できなかった?

「想像で物は申しません」

画像: 「その時点では気にならなかった」

担当部局「考え方としては、正確な情報を伝えるためということを思っていた」

一方で、虐待事件をめぐり、市の健康福祉部は8月に関係者からの通報を踏まえ、園に事実関係の調査を指示し、3人が虐待を認めたと報告を受けていました。

 しかし、市長にはそのことを共有していませんでした。

Q.担当部局はそのタイミングでなぜ市長に虐待を報告しなかった?

裾野市 健康福祉部 石井敦部長(21日):
「正確な内容をこちらがないと、市長に報告できないという考え方を持っていて、その考え方がそもそも間違いだということで、11月30日に謝罪会見を開いたが、そういう認識でいた」

Q.9月20日に市長から問い合わせが担当部署にあってその段階で少なくとも何らかの一報はあげるべきだったのでは?

「考え方としては、正確な情報を伝えるためということを思っていた」

 問題を共有すべきタイミングは複数あったにも関わらず、庁内での情報共有は適切に図られず、結果的に対応の遅れにつながった可能性があります。

 村田市長は担当部局に隠ぺいの意図はなかったとした上で、「そのように取られても仕方がない対応で、配慮が足りなかった」と話しました。

画像: 担当部局「考え方としては、正確な情報を伝えるためということを思っていた」

「9月20日時点の自分の対応は間違っていない」

一方で、自らの対応については…。

裾野市 村田悠市長(21日)
「9月20日時点の自分の対応は間違っていないと思うし、さくら保育園においては組織や人事に関する相談は多々行われていたと。その一つだという認識だった」

Q.元々問題が多かったので数ある問題の中の一つだと認識した?

「まあ、人間関係はうまくいっていなかったでしょうね。虐待事案に関しては11月28日に初めて知ったというのは事実。それ以前は、組織や人事の内容だという認識」

画像: 「9月20日時点の自分の対応は間違っていない」