袴田事件で最高裁が「再審認めない決定」取り消し、東京高裁に審理差し戻し 袴田さんの姉「うれしいXマスプレゼント」
いわゆる袴田事件で死刑が確定した袴田巌さんについて、最高裁は再審=裁判のやり直しを認めないとした東京高裁の決定を取り消し、審理を差し戻す決定をしました。
姉 秀子さん:「とてもうれしかった。本当にうれしかった。うれしいクリスマスプレゼントでございます」
会見を開いた袴田巌さんの姉の秀子さんは、目に涙を浮かべながら喜びを語りました。弟の袴田さん(84)は1966年、旧清水市で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定しました。
静岡地裁は2014年に再審開始を決定しましたが、東京高裁はおととし再審開始を認めない決定をしました。袴田さん側は特別抗告していましたが、最高裁はきょうまでに東京高裁の決定を取り消し、審理の差し戻しを命じる決定をしました。
袴田さんの再審をめぐっては、逮捕の1年2カ月後に見つかった5点の衣類が袴田さんのものかどうかが争われていました。
最高裁は、この衣類をめぐる実験結果について、東京高裁が審理を尽くして判断したとは言い難いと指摘しました。そのうえで、専門的は知見などを調査したうえで判断すべきとして、審理を東京高裁に差し戻す決定をしました。
袴田さんの釈放は引き続き認められる見通しです。姉の秀子さんから一報を聞いた袴田さんは表情を変えずに、午前は自宅でテレビを見て過ごしたといいます。