執拗なクラクション…あおり運転容疑で男を逮捕 静岡・磐田市
静岡県磐田市のバイパスであおり運転をしたとして、トラック運転手の男がきのう逮捕されました。あおり運転厳罰後、静岡県内で初めての逮捕者です。
車の至近距離まで危険な幅寄せを繰り返す白い乗用車。
車の後ろにつけるとクラクションを鳴らし続け、その長さは9秒間にも及びました。これは7月に磐田市の国道1号を浜松市方面に向かう車のドライブレコーダーが捉えた映像です。
そして、その後…
急な割り込みをして、車体前方に衝突しました。運転していた31歳のトラック運転手の男がきのう妨害運転の疑いで逮捕されました。
鈴木誠記者:「あおり運転は2キロほど続き、こちらの現場で車同士が接触したとみられます」
警察によりますと、容疑者は静岡県西部に住む会社員の男性(20代)が運転する軽乗用車を妨害しようと進路変更をするなどのあおり運転をした疑いが持たれています。
被害者の男性が右側の追い越し車線を走行していると、容疑者が左から追い越し、急に幅寄せ運転を始めたといいます。容疑者は一度、被害者の車の後ろに戻り、車線変更を繰り返したあと、男性の車と衝突しました。
ドライブレコーダーの映像が決め手となり、容疑者の逮捕に至りました。6月にあおり運転が厳罰化されてから、県内での逮捕は今回が初めてです。
静岡県警担当 小林歩記者:「高速道路では1日に数件、あおり運転について通報がある。今回はドライブレコーダーが逮捕の決め手となったが、そうではないケースも多いといいます」
厳罰化の一つのきっかけとなったのは、2日に執行猶予付きの有罪判決を受けた被告によるあおり運転事件でした。浜松市など県内外で繰り返された危険運転は大きな社会問題となりました。
ただ、当時はあおり運転そのものを処罰する法律がなく、警察は強要罪などで立件しました。その後、国は危険な幅寄せや進路変更などを対象としたいわゆる「あおり運転罪」の適用を6月から始めました。
静岡県警担当 小林歩記者:「容疑者はドライブレコーダーの映像には映らないところでも、後ろで車間距離を詰めたり、車線変更をしたりといったあおり運転を行っていた。捜査関係者はドライブレコーダーが後ろ向きにも付いていれば、そのあおり行為も逮捕容疑に含めることができたと話していました」
厳罰化されても繰り返されたあおり運転。容疑者は容疑を認めていて、「いわゆるあおり運転はしたが、自分がぶつかったわけではない」と話しているということです。