【速報】東京高検が特別抗告断念 袴田事件は静岡地裁で再審へ
静岡県の旧清水市で一家4人が殺害されたいわゆる袴田事件で、再審=裁判のやり直しを認めた東京高裁の決定について、東京高検が特別抗告を断念しました。今後、静岡地裁で再審が開かれることになります。
1966年、旧清水市でみそ会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さんの再審請求を巡っては、2014年に静岡地裁が再審を認めたものの、2018年に東京高裁がこれを覆し、再審開始決定を取り消しました。しかし、2020年に最高裁が、証拠について「十分に審理が尽くされていない」とし、東京高裁に審理を差し戻し、東京高裁は3月13日に再審開始を認める決定を下していました。
今回の再審請求で争点となったのは、事件発生の1年2カ月後にみそタンクから見つかった「5点の衣類」に付着していた血痕の色で、当時の捜査資料には、濃い赤色などと記載されていました。これについて検察側が赤みが残るとした一方、弁護側は赤みは残らないと主張していました。
13日の決定で東京高裁は、「1年以上みそ漬けされた5点の衣類の血痕には赤みが残らないことが認定できる」と弁護側の主張を認めた上で、タンクへのみそ漬けは捜査機関が行った可能性が極めて高いと思われるなどと指摘していました。