スプリンクラー作動楽器水浸し被害 楽団と裾野市の議論は平行線…楽団「裾野市長と裾野市は全ての責任を負うという意味で、事故調査委員会を立ち上げたと理解」
「事故の原因が施設の設置瑕疵や設備の故障等によるものなのかどうかということを関係者の協力を得た上で技術的、そして学術的な見解等の検知から客観的に検証し、委員会として一定の見解を導き出せればと考えている」
楽団は裾野市に損害賠償求める方針も市長は…
9月下旬、裾野市民文化センターでスプリンクラーが突然作動し、オーケストラの楽器や舞台が水浸しになる被害が出た問題。
28日、裾野市が設置をした事故調査委員会の初会合が開かれました。
この一件をめぐっては、発生当日に大ホールで公演を予定していたオーケストラ「シンフォニエッタ静岡」の楽器や楽譜が水浸しになりました。
楽団側は24日、3回目となる会見を開き、市が設置した事故調査委員会に対し言及しました。
シンフォニエッタ静岡 中原朋哉さん:
「いまだに裾野市から何も連絡も情報の提供もないという状態が続いている。市の職員も誰も事故当日、現場にいたわけではないし、伝文でしか情報を得ていないので、それが事故調査委員会の委員のみなさんに、どの程度伝わるのかなということも不安を感じている。誰がやったにしろ事故であったにしろ、オーケストラへの賠償が完了するまでは、裾野市長と裾野市は全ての責任を負うという意味で、事故調査委員会を立ち上げたと理解している」
楽団によると正確な被害額はまだ算出できていないといいます。
ただ、裾野市に対しては損害賠償を求める考えです。
一方、裾野市はスプリンクラーに異常や故障はなかったとした上で、原因がはっきりとしない段階では補償には応じられないと説明しています。
裾野市 村田悠市長:
「市に瑕疵があったのであれば、これは補償しなければいけないというふうに私は考えているが、現時点で故障、それから設置の瑕疵が認められない時点で、私は本来であれば市民の皆様方に使われるべき税というものをこのような原因がわからないところに現時点で拠出する、そのような考えはないということを改めてここで言わせていただきたい」
楽団は市に対し不信感
発生からおよそ2カ月。原因究明に至らない中、依然、楽団と市の主張は平行線を辿っています。
Qスプリンクラーの操作盤の周辺に防犯カメラを設置していない裾野市に責任があるという話をしていたと思うが、市に伺ったところ、結局誰かが意図的にスプリンクラーをさせるということは想定してなかったというようなことを話していた。そういった回答があったことに関してどう思う?
シンフォニエッタ静岡 中原朋哉さん:
「スプリンクラーを誰かが操作すると思っていなかった、は多分そうだと思う。というか、僕らはまだ、どこにあるか知らない人の方が多いぐらいなので、それは当然だと思うが、ただ、ここまで裾野市が自分たちに責任はないという方向で話をしているのであれば、いやいや、じゃあそこまで言うんだったら、最初からカメラを設置しておけばいいか、心配だったら警備員を立たせておくべきでしょう」
市に対し不信感をあらわにする楽団側。
そうした中、28日開かれた裾野市による事故調査委員会の初めての会合では委員長が問題となったスプリンクラーの操作盤やポンプ室、配管設備などを視察したということです。
静岡大学工学部 近藤淳教授:
「検証や確認をすべき事項及び関わる方々というものが多岐に渡るので、年度内に何らかの結論をという限られた時間を目安としながら進めて行きたいと考えている」
今後は月に1~2回会合を開き、年度内には調査結果を出したいとしています。
楽団側も調査委員会を設置
いっぽう、楽団側にも動きが・・・
シンフォニエッタ静岡 中原朋哉さん:
「うちのほうでシンフォニエッタ静岡の事故被害検討委員会といったもの、今までもすでに相談をしていたりとか、先方の方から協力するよというお申し出のあった方々がいらっしゃるので、その辺でこう一応組織化して、まあ委員会としてやっていこうということになりました」
楽団側の調査委員会には大学教授や消火設備の専門家、元警察官などが有志で加わり調べていくとしています。
シンフォニエッタ静岡 中原朋哉さん:
「事故原因の究明が目的ではなくて、事故原因をきちんと究明して欲しいことから、必要な情報を取りまとめてしかるべき相手にその情報を提供することを目的としているわけで、僕らの方で結論は出せないので、この辺については誤解のないようによろしくいお願いします」