裾野市「さくら保育園」虐待行為を把握しながら保護者らに公表せず入園募集

静岡県裾野市の保育園で起きた園児に対する暴行事件について、市が保育士の虐待行為を把握していながら保護者らに公表せず、来年度の入園を募集していたことが分かりました。

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裾野市「さくら保育園」虐待行為を把握しながら保護者らに公表せず入園募集

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 裾野市の「さくら保育園」では、園児に暴行をしたとして当時働いていた保育士の女3人が、逮捕・送検されています。

 市は8月、園の関係者からの通報で保育士3人の虐待行為を把握し、園に対して是正指導を行いました。

 しかし、9月来年度の入園希望者に対し、虐待に関する説明をしないまま申し込み書類を配布。

 10月に希望する園の申し込みを受け付けました。

 市が虐待行為を公表したのは、通報から3カ月以上が経った先月30日でした。

 入園希望者に虐待に関する説明をしなかった理由について、市のこども未来課は「園からの報告が確定しておらず、事実の把握ができていなかった」としています。

 市は来年度、さくら保育園や系列園への入園を希望していた保護者に対し、入園希望の変更を受け付けており、16日までに73件の申し込みがあったということです。

 この事件への対応をめぐり村田悠市長は「市長への報告が遅れた」として健康福祉部長ら3人を懲戒処分する方針を示し、自身の報酬2カ月分、副市長の報酬1カ月分をいずれも全額カットする意向を明らかにしています。

 また、再発防止に向けて、外部の有識者で構成する調査委員会が近く設置されることが、関係者への取材で分かりました。

 調査委員会は保育を専門とする大学教授や弁護士らで構成され、来月にも第1回の会合を開く予定だということです。