安全装置の義務化など送迎バスをめぐる安全への取り組みの変化~静岡市の幼稚園では

川崎幼稚園の事件の後安全装置の設置が義務化されるなど子どもを守るための取り組みが進んでいます。その変化を現場はどう感じているのか取材しました。

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安全装置の義務化など送迎バスをめぐる安全への取り組みの変化~静岡市の幼稚園では

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河本千奈ちゃんの父親
「娘に対する大切な思いというのはずっと変わらずにありますし、川崎幼稚園、学校法人榛原学園に対して誠意ある対応をしていただけていないので怒りがあります」

 牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の
送迎バスに当時3歳の河本千奈ちゃんが置き去りにされた事件からあすで1年。

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 当日朝、普段の運転手に代わってバスを運転していたのは、当時の増田立義園長でした。

 バスにはもう一人補助の職員が乗っていましたが、2人とも車内を確認しませんでした。

 当時の担任たちも千奈ちゃんが園にいないことに気付いていながら休みだと思い込み、保護者に連絡していませんでした。

 この1年間、幼稚園などで安全管理の見直しが進められてきました。

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静岡市の麻機幼稚園での取り組み

画像1: 静岡市の麻機幼稚園での取り組み

 静岡市葵区にある麻機幼稚園。

 今年4月から出欠管理のためアプリを導入しました。

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 乗務員は毎朝、保護者から送られてくる欠席の連絡を確認し、名簿を見ながら一人一人確認していきます。

高橋明人園長:
「ここに欠席の連絡と理由。ここがバスの関係なんですけど、このような形でバスに乗る乗らないをアプリで確認できるようになっています。バス停にいない場合は基本的には5分くらい待つような形。いなかったらこちらに連絡が来てこちらから保護者に連絡する。担当や担任が連絡してバスの乗車状況どうなっているか欠席状況も伺います」

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 乗務員はバスに乗っている間も園児の出欠を再度確認します

 この園では4台のバスで6つの路線を運行していて、140人近い園児のおよそ7割が通園にバスを利用しています。

 子どもたちを園まで送り届けると、乗務員は座席の一つ一つを消毒しながら確認していきます。

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乗務員:
「最後の確認の際に忘れ物、一番大事なのは子ども、寝てしまっている子どももいるので、見落としのないように徹底してやっている。子どもなのでふざけて隠れちゃっている子もいるので、そのへんは徹底して確認するようにしている」

 去年の事件を受け、通園バスの安全装置設置が義務化されました。

 この園でも今年6月に設置が完了しています。

 バスのエンジンを切ると自動的にアラームが鳴る仕組みです。

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運転手:
「これが装置です。この赤い解除というのを押せば止まります。
約12分間今みたいに音が段々4種類の音に変わって最終的にホーンが鳴ります。クラクションですね。あくまでもこれは作業の一つに過ぎなくて、機械を止めるときにもう一度(車内を)確認してダブルチェックでやっています」

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 進んでいるように見える子どもたちの安全を守る取り組み。

 しかし、園長は決して安全装置だけに頼るのではなく、職員の働く環境も重要だと語ります。

高橋明人園長:
「日頃の風通しとか自分たちが改善したいこととか、ちょっとしたことは気軽に口に出せるというか。それぞれの主任とか自分の仲間内で出てくるのがベストじゃないか」

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 子どもたちの安全を守るため大人たちができることとは。

「やはり多くの人数で見るということですね。当然そこには意識の高さっていうのはあると思うんですが、常に危機管理の意識を高めて当たり前だということでなく見るということだと思います」