大阪ビル火災で国が全国の類似雑居ビルに点検要請 静岡市内にも240棟 消防局「万が一の際は煙を吸わない対策を」
大阪府北区のビルで発生した火災では28人が病院に搬送され、このうち24人が死亡しています。この火災では、61歳の男が油をまいて火を放ったうえ、逃げ道が階段ひとつしかない狭い場所だったことで被害が大きくなったとみられています。
静岡市内類似の雑居ビルで緊急点検
静岡市消防局は火災翌日の18日、いち早く緊急点検を実施しました。大阪のビルと同じように、階段が一つしかない雑居ビルを対象に防火設備を確認するもので、葵区の繁華街の雑居ビルには消防職員2人が入りました。
階段や防火戸の前に避難の妨げになる物が置かれていないかどうかや、消火器や火災報知器などが設置されているかなどの点検を行いました。
静岡市葵消防署 消防司令長
大長朝史さん:「是非とも階段、共有部分、こういったところの燃えやすいものを置かないだとか、避難の支障になるものを置かない、こういったことを今一度しっかりと管理よろしくお願いします」
国も全国に点検要請…対象ビル全国3万棟、静岡市は240棟
一方、国は19日、この火災を受けて、全国の雑居ビルの緊急点検を要請しました。対象とするのは、大阪市のビルと同様に階段が1つしかなく、3階以上に不特定多数が出入りする施設があるーといった条件のビルで、全国でおよそ3万棟にのぼるとみられています。
独自に緊急点検を行っていた静岡市消防局ですが、国の要請にあわせて管内の検査対象を精査したところ、およそ120棟だったものが240棟に拡大するということで、来年1月中には検査を終えたいとしています。
「煙を吸わない」対策を
また、今回の火災では、煙が一気に充満したことにより、急性一酸化炭素中毒で亡くなった人が目立ちます。やけどだけでなく、一酸化炭素中毒にはどんな怖さがあるのでしょうか。
静岡市消防局 消防指令長
大森克哉さん:「瞬間的に煙を吸ってしまいますと、瞬間的に一酸化炭素中毒になりますので、その場で、気を失って倒れてしまいます。そのことによって避難ができなくなり、負傷してしまうといったことが心配されます」
「煙を吸わない」対策が重要だといいます。
静岡市消防局 消防指令長
大森克哉さん:「万が一煙に遭遇した場合には、鼻と口をハンカチで押さえていただいて、煙を吸わないような形で避難していただくことが重要になるかと思います」
こうした中、20日も火災が…。静岡県磐田市では工場が焼け、消防によりますと2人が煙を吸って搬送されたということで、詳しく調べています。