麻酔銃の矢が誤って女性の腕に… サル捕獲の委託業者が不適切な手順で作業か 静岡・富士市
住宅街で麻酔銃を誤射…
事故が起きたのは JR富士川駅の南側、富士市中之郷の住宅街です。野生のサルの目撃情報を受け、現場に向かった市の担当職員と委託業者がサル1匹を発見。麻酔銃を使用できる距離にサルがいたため、委託業者が麻酔銃の準備を始めました。その際、空気漏れを防ぐために銃身にテーピングをしましたが誤って引き金に触れ、サルの目撃情報を伝えに来た女性の左腕に麻酔銃の矢が当たったということです。麻酔薬の量は、体重15キロのサルに効果がある量が使われていました。
この事故について 富士市の担当者は…
富士市 環境保全課
鈴木宏昌 課長:「サル捕獲で使っている麻酔銃がエアガン、要するに空気銃でして圧縮されたガスを開放することで薬液が入った矢が飛んでいく仕組み。空気漏れがあると思うように薬が入った矢が飛んでいかないということになるので、この委託業者はそういったことが起きないように念のためにテーピングの作業をしていた」
そもそも空気銃にテープを巻くことは、通常 行われる作業なのでしょうか?
富士市 環境保全課
鈴木宏昌 課長:「テーピング自体はこの方の独特の手法になるので、通常はない作業。一番問題だったのは、どういう作業をするとしても、まずは銃口が人に向いていたというところが一番の大きな問題になる。銃口を人に向けてはいけないということは基本中の基本なので、その確認を怠ってしまった」
30年以上、様々な銃の研究や取材を行っている専門家は・・
銃器ジャーナリスト
津田哲也さん:「仮にテーピングの必要があったとすれば、矢を装填していない状態でやるべきことなので/あらかじめ矢を装填してしまっていて、手入れを始めテーピングをして準備を始めたというのは、これは通常の銃器としても危険性がある。誤射、暴発の危険性は必ずあるので、そういう手入れをする時には弾倉を空にしておくという措置は必要」
去年秋から野生のサルが住宅街に出没
富士市によりますと、この地域では去年の秋ごろから野生のサルが確認されていて徐々に住宅街に出没するようになりました。市ではサルは2匹いるとみていて、そのうち1匹は凶暴な性格だといいます。今回の事故の際に目撃されたサルは、まだ捕獲されていません。
市は今後のサルの捕獲については、県と協議して決めるとしています。