静岡県警がバス車内の温度を検証 牧之原市は全保育施設へ立ち入り調査 3歳女児死亡事件
午前、バスの検証実験始まる
林輝彦アナウンサー:「午前7時20分です。亡くなった女の子が乗っていた送迎バスがレッカー車に載せられ牧之原警察署を出ます。これから川崎幼稚園の駐車場に移動し、バスの検証が行われます」
牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の送迎バスに3歳の女児が置き去りにされ、熱射病で死亡した事件。県警はこれまで押収したバスの検証を、牧之原警察署内で続けていましたが、きょう14日事件後初めて現場となった園の駐車場にバスを移動させ実証実験を始めました。
林輝彦アナ:「午前9時半すぎです。牧之原市の川崎幼稚園の駐車場では、今バスの検証が行われています。事件当日の最高気温は30.5℃。真夏日の暑さでした。きょうもまだ9時半すぎなんですが、変わらない暑さとなっています。そんな中、今目の前の亡くなった女の子が乗っていたバスでは、中の温度が定期的に測られています」
午後の気温はきょうも30℃超え
死亡した女児の体温は40℃ほどにまで上がっていたことが分かっています。事件当日、バスの中の温度はどう変化していったのか、複数の温度計を数分ごとに計測するなどして検証が進められました。
事件が起きた5日、女児が亡くなったとみられている昼頃の牧之原市の気温は29.9℃まで上がっていました。そして午後1時ごろには、その日の最高気温30.5℃を記録しています。
午後、園の駐車場は…
林輝彦アナウンサー:「女の子があちらの白いバスで発見されたのは午後2時すぎのことでした。現在時刻は午後2時前です。手元の温度計では33.4℃です。外に数分立っているだけで、汗が吹き出し日差しが肌に当たると少し痛いなと感じてしまうほどの暑さです。車の中は外よりも暑くなると言われています。女の子は過酷な暑さの中、およそ5時間取り残されていたことになります」
牧之原市では立ち入り調査
今回の事件を受けて牧之原市では14日、市内の保育施設へ立ち入り調査に入りました。
各務実来記者:「午前10時です。市の職員6人が牧之原市内の保育園に入っていきます。安全管理体制を確認する立ち入り調査が行われます」
この調査は、14日から22日まで保育園や幼稚園など、川崎幼稚園以外の市内16の保育施設全てに対して実施される予定です。
牧之原市 子ども子育て課
前田明人 課長:「今回の(川崎幼稚園の)事故に伴って行わせていただいたので、登校園のチェック、それから欠席の場合の保護者への連絡・確認のルールなどについて、どのような対応しているかを聞き取りした。本当に大きな事故が起きてしまって、市内の園で安全確認ができているかを急遽確認したいというところ」
またバスの送迎がある園に対しては、国からの指導に沿って運転手のほかにもうひとり乗務員を配置しているか、乗り降りの際に人数確認をしているかなども確認。そのほか子どもが水遊びする時や、昼休みなどの安全管理体制も調べます。
きょうの立ち入り調査はおよそ1時間行われ、特に問題は確認されなかったということです。
牧之原市 子ども子育て課
前田明人課長:「本来であれば今回も起きてほしくなかったというか、起きるべきではなかったと考えているので、再発防止については本当に重く考えて検討していきたい。今後、市内全16園、民間も含めてあるのでそちらもチェックしていきたい」
バスのラッピングに問題が…
実証実験で事件発生時と同じ場所に止められた川崎幼稚園の送迎バス。駐車場の周りには道路がありますが、バスの窓全面にラッピングがされているため。もし人が近くを通っても中の様子を見ることは難しかった可能性があります。
近所に住む男性:「通勤するときに見かけたりするので、確かにあれだと助けてと言われてもわかんないと思うので、悲しいです。防げた事故だと思ったので、すごく悲しいなと思ってきました」
藤枝市 3歳児の母親:「バスの模様というか、絵が全体的に見えない。中が見えるようにするとか、近くの通りがかりの人が違和感を感じたりとか、そういうのをやっていって欲しい」
藤枝市 60代:「窓がもうちょっとね見える感じだったり、全部被されてなくて。なんかいろいろ注意点がいっぱいあって、それも全部。助けられなかった。一番つらいです」
先週行われた園の会見で、バスのラッピングについて指摘された園長は。
Q:外から確認がしづらかったということが今回の事件に与えた影響は理事長はどういうふうに受け止めていますか?
川崎幼稚園
元園長:「誠に申し訳ないなと感じております。」
警察は今後も引き続き、園の職員らに事情聴取をするなどして捜査を続けていくということです。