【園児虐待事件まとめ】「悪ふざけが常態化して、まひしていった」静岡・裾野市園児虐待事件で新たな供述 一方「先生とお別れはいやだ」「助けて」と話す園児も 園長への捜査は?

裾野市「さくら保育園」で発覚した園児虐待事件。

 園児の両足を持って宙づりにする、頭を殴るなどの暴行をしたとして逮捕・送検されたのは、いずれも1歳児クラスを担当していた3人の女です。

 捜査関係者によると3人はいずれもおおむね容疑を認めているということです。

 園や市の調査によって、3人は「園児にカッターナイフを見せて脅す」「倉庫に閉じ込める」「寝かしつけた園児に「ご臨終です」と何度も発言する」など少なくとも15の不適切行為をしていたと公表していましたが・・・

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虐待行為は16項目に訂正

裾野市 村田悠市長:
「8月25日に受領した報告書の中に記載されていた項目、「撮影した写真に身体的特徴を揶揄するなどの不適切なコメントを記し、1才児担当保育士のLINEグループに投稿していた」というものが含まれていなかった。確認に不足があった。本当に申し訳なく思っております。」

 その後の裾野市への取材で、園児を撮影した写真に、容姿にまつわる不適切なコメントを書き加えて、保育士のL I N Eグループで共有していたことが分かりました。

 市は3人による一連の行為についてこれまで15項目が虐待にあたるとしていましたが16項目だったと訂正しました。

 事件を受け市は、来年度、さくら保育園や系列の園への入園を希望していた保護者に対し、変更の受付を開始。

 7日までに変更の申し込みは40件に上っているということです。

 市は、新たな入園先については、これから調整していくとしています。

 また、さくら保育園に通っていた園児2人の保護者から市に対し転園や別の園での一時預かりの申し込みがあったことがわかりました。

 このうち1人は、おとといから市内の別の保育園で受け入れたということです

画像: 虐待行為は16項目に訂正

謝罪の手紙は拒否

クラスの責任者だった女(30)と、不適切な指導が最も多かったとされる女(38)の2人が警察の取り調べに対して、「悪ふざけが常態化して、まひしていった」などと話していることが捜査関係者への取材で新たに分かりました。

 園児への不適切な行為について、3人は互いに認識していたとみられます。

 また、逮捕後、3人とも反省の姿勢を示しているということですが、保護者によると、逮捕前の保護者説明会では、園が謝罪の手紙を書くことを求めたものの、それを拒否したと説明があったそうです。

 3人はいずれも保護者説明会を欠席していました。

画像: 謝罪の手紙は拒否

「保育の現場というのはすごく忙しい職場」

原 孝至弁護士:
「彼女も普通の保育士さんで、警察署というのは初めての経験ですごく気が動転しているところがあった。きょうもまだ現実と自分が置かれている立場がまだ理解が難しいんだと思う。非常に気が動転した状態でというのは感じた」

 バインダーで園児の頭を叩いたことを認めているという女(39)。

 その時の状況については・・・

原 孝至弁護士:
「体温をチェックする忙しい時間帯に遊具というか子どもが台所のおままごとをするようなものですかね。あれに登ったお子さんがいてバタバタして慌てていてバインダーごと頭で上からそれ以上登らないように押さえつけてしまった。大変お子さんも保護者の方にも申し訳なかったと今反省して謝罪の旨を述べている」

 また「新型コロナの影響で業務や気を遣うことが増えた」などと話しているということです。

原 孝至弁護士:
「やっぱり保育の現場というのはすごく忙しい職場のようです。その中で不適切なというか雑というか荒っぽいというかそういう行為になってしまった。今非常に不適切だったと話をしている」

画像: 「保育の現場というのはすごく忙しい職場」

「先生とお別れはいやだ」

園の運営は適切だったのか?3人を知る保護者は…。

保護者:
「そういう先生だったんだとすごくショックを受けている。裏切られた気持ちがあるので。園長先生にも優しくしてもらっていたので、ショックです。嘘であってほしいけど、ここまでくると本当だと思うので事実をとにかくすべて話してほしい」

Q.元保育士(30)はどんな印象?
保護者:
「私やうちの娘にもすごくいい感じで、土曜日保育でもお願いしますと言っても、気さくに話してくれる先生でした」

Q.元保育士(38)はどんな印象?
「大好きでした、大好きです。本当に大事にしてもらったし、うちの娘にも手作りのフォトフレームみたいなものを作ってくれたので」

Q子どもに暴行を加えるのは信じられない?
「そうですね、信じられないです」

 元保育士(38)が担当するクラスにかつて子どもが在籍していたという保護者にも話を聞くことができました。

Q.どんな思いで頑張って話そうと思った?
母)先生がテレビに出ていたからだよね、大事な先生が。名前が出ていたから(一言)言いたいんだよね」

Qどんなところが好きだった?
さくら保育園に通う園児(4歳):
「(一緒に)遊ぶところ」

Q.どんなことをして遊んでくれた?
「折り紙。先生とお別れはいやだ」

母)お別れ、いやだよね?
「(無言でうなずく)助けて…」

園児の母:
「虐待に関してはすごく衝撃的だった。もう起こらないようにするというのが一番これから求められることであって、保育園の体制などもしっかり見直せるように今後変えていけるような未来になればと」

画像: 「先生とお別れはいやだ」

「助けたり注意することもなく見て見ぬふりをしていた」

また、今週火曜に市が公表した園の職員会議の資料によると、保育士3人の一連の行為について、「別の職員なども見たり聞いたりしているが、助けたり注意することもなく見て見ぬふりをしていた」ということも判明しています。

 また、市は先月16日に「さくら保育園」の園長と面談した際に、「今回の事案を口外しないように職員に誓約書を書かせた」と報告を受けたそうです。

 一方、櫻井園長は、静岡朝日テレビの取材に対して、「誓約書は書かせたが、口止めするような趣旨のものではない」と話しています。

画像: 「助けたり注意することもなく見て見ぬふりをしていた」

「市長として今後捜査が行われることを強く望む」

裾野市の村田悠(むらた・はるかぜ)市長は―

裾野市 村田悠市長:
「そのようなこと(虐待行為)が行われてきたこと自体が問題であるにも関わらず、それを隠ぺいしていたことに問題の根幹はあると私は考えている。市にも一定の責任、大きな責任があると考えている。8月に把握していた部長以下の職員にも責任はあるし、その管理監督者である市長・副市長にも責任は大きくあると思うので、速やかに私も含めて処分をしてまいりたい」

白鳥衛記者:
「午前10時です。裾野市の村田悠市長が櫻井利彦園長を犯人隠避の疑いで刑事告発するため裾野警察署へ入っていきます」

 裾野市の村田市長は今週月曜、櫻井園長を犯人隠避の疑いで刑事告発しました。

 今後、警察が告発を受理すれば園長への捜査も始まることになります。

裾野市 村田悠市長:
「本件は保育士3名だけの問題ではなく、園の責任者であるにも関わらず、保育士に対し誓約書を書かせるなど、意図的に隠ぺいを図ろうとした園長の対応も悪質でありました。この対応は罪を犯した者を故意に隠して逮捕を妨げた罪、犯人隠避罪に当たるのではないかと考えております市長として今後捜査が行われることを強く望んでいます」

画像: 「市長として今後捜査が行われることを強く望む」