【袴田事件】ひで子さん「58年目でやっと始まる。絶対無罪だと思っている」 再審裁判は10月27日初公判
57年前の1966年に旧清水市でみそ会社の専務一家4人が殺害されたいわゆる袴田事件。当時30歳だった袴田巌さんが逮捕されました。
1980年に一度は死刑が確定したものの、2014年、静岡地裁が裁判のやり直しを決定。袴田さんは48年ぶりに釈放されました。
そして今年3月、東京高裁は犯行着衣とされた「5点の衣類」について、「捜査機関を含む第三者によってねつ造された可能性が高い」として裁判のやり直しを決定。再審公判に向け、これまで弁護団と検察、裁判所が双方の主張や期日について話し合いを続けてきました。
そして27日…。
袴田事件弁護団事務局長 小川秀世弁護士:「10月27日から3月27日までの期日を事実上というか、ほぼそれに沿って審理をしていく」
弁護団によると、静岡地裁で行われた6回目の3者協議で、初公判の期日について10月27日とすることを弁護側、検察側双方が受け入れました。最終的な期日は裁判所が10月中旬に正式決定しますが、やり直しの裁判が10月27日から始まることがほぼ確実となりました。
長年、巌さんとともに闘ってきた姉、ひで子さんは…。
巌さんの姉 袴田ひで子さん(90):「やっぱり長い、58年闘ってますからね。今に思えば長いんですよ。そんなこと今さら言ったって始まらない。だけど、ここで裁判が始まる。58年目でやっと始まるってことですよね。何しろ今までは裁判が始まらなかった、それが裁判が始まるってことは、何といってもうれしい」
弁護団によると、再審公判は計12回開かれ、来年3月27日に結審する予定です。
袴田ひで子さん:「長い裁判で裁判長さんをはじめ、弁護士、検察庁、皆々様本当にありがとうございました。半年で結審いたします。私もうれしくてしようがございません。裁判がもう半年で終わると思うと、もう一安心でございます。私は絶対無罪だと思っております」
27日も日課のドライブに出かけていたという巌さん。ひで子さんは巌さんへの“説明”について言及しました。
袴田ひで子さん:「まだ裁判は終わったわけじゃありませんからね。まだ知らせません。きょうは静岡へ行ってくるって言って、出かけてきました。これ裁判が終わって、決着がついて無罪というものをもらってから巌に説明したいと思っております」
再審公判では、犯行着衣とされた「5点の衣類」に付いた血痕の色の変化が争点となる見通しです。弁護側は5点の衣類の血痕を鑑定した鑑定人の証人尋問を要請。一方の検察側は、みそ漬け実験にかかわった鑑定人の証人尋問を求めています。