6000万円に1300万円…高額被害相次ぐ なぜ?11月は特殊詐欺の被害が多い 静岡
浜松市で60代女性が6000万円だまし取られる
警察や検察官などを名乗る男女
女「投資詐欺に使われたスマホの購入に名前や電話番号が使われている」
男「口座の金を調査する」
今年9月、浜松市西区に住む60代の女性宅に、警察や検察官などを名乗る男女から電話がありました。その内容は、女性の個人情報が犯罪に使われているというもの。話を信じた女性は、男から指示された口座に複数回振り込みをし、2カ月間のうちに合わせて 6000万円をだまし取られてしまったといいます。
静岡市でも1300万円被害
同様の事件は静岡市内でも起きていました。浜松の事件と同じ今年9月、静岡市清水区に住む60代女性の元に行政機関や警察官を名乗る男性から1本の電話が…。
行政機関や警察官を名乗る男
「あなた名義で契約した携帯電話機から迷惑メールが送信された」
「あなたが特殊詐欺の容疑者になっている」
女性は10月末までに、ネットに開設された口座であるインターネットバンキングを利用し、指定された口座に3回に分けて、およそ1300万円を振り込んでしまったということです。女性は特殊詐欺の報道が自分の事案と似ていたため、警察に相談し、被害に気が付いたといいます。
静岡県警はHPで詐欺電話の音声を公開
静岡県警によると、静岡県内では同様の手口による詐欺被害の総額が1億円にのぼるとみられています。いったい、どのような電話で被害が増えているのか。実際の音声データが公開されています。
警察官を騙る詐欺電話(県警HPより おととし5月 県東部の80代女性宅)
「もしもし。●●さんのお宅ですか? こちら●●警察署生活安全課のワタナベと申します。お休みのところ、突然のお電話で恐縮ですが、●●さんはいますか? ご本人様ですね。おととい金曜日に静岡市内でオレオレ詐欺や振り込め詐欺の犯人グループを検挙した。このグループが●●市に住んでいる人の名前・住所・電話番号などの個人情報の書かれた物を持っていて、この中に●●さんの名前も記載があった。現状、名前が書かれている人の中で被害に遭われた人もいる」
この音声はおととし、県東部に住む80代女性宅にかかってきた警察官を騙る男の詐欺電話です。この後、警察官を名乗る男は女性の住所や家族構成など個人情報を聞き出そうとしましたが不審に思った女性は答えずに、男は諦め電話を切りました。
県内の特殊詐欺被害は今年に入って15日までに296件発生しており、11月も15日までに11件発生していて、特殊詐欺による被害額の合計は6億4295万円に上っています。
女性警察官:「固定電話に不信な電話がかかってくる可能性もあるので、050とかから始まる電話は是非気を付けてください」
なぜ、11月は被害が多い?
15日、県下一斉で行われた詐欺被害撲滅のための啓発運動。警察によると、去年1年間の特殊詐欺の被害件数は11月が最も多かったといい、今年は11月13日から17日までを被害防止強化週間に定めています。
なぜ11月は被害が多くなるのか? 県警によりますと年末年始は金を受けとる「受け子」が集まりにくいため、年末年始になる前の11月に特殊詐欺グループは集中的に犯行に及んでいるといいます。また被害者の8割が女性というデータも出ているといいます。
静岡県警生活安全企画課 尾藤厚至警部:「特殊詐欺の被害に遭った人は、その大半が自分は騙されないと思っていた。自分にも詐欺電話がかかってくるという意識を持って自分の固定電話に対策機器を取り付けたり、家族でしっかり連絡を取り合って被害に備えてほしい」