静岡県警による全国規模の盗撮マニアグループの検挙11人もの逮捕者を出した事件発覚のきっかけとは

多くの逮捕者が出ているマニアグループによる盗撮事件。事件発覚のきっかけは不審な車の人物への職務質問でした。

画像: 静岡県警による全国規模の盗撮マニアグループの検挙11人もの逮捕者を出した事件発覚のきっかけとは

静岡県警が捜査を続ける、全国規模の盗撮マニアグループによる犯行。
おととい、新たな逮捕者が…。

東京都の派遣社員の容疑者(52)は、2019年12月、自らが制作した少女のわいせつな動画を盗撮グループの主犯格で、「盗撮のカリスマ」の異名を持つ50歳の被告に提供した疑いが持たれています。

 警察によりますと、容疑者は盗撮グループの依頼を受けて動画を制作。

 その動画は、グループが盗撮した少女の裸と着衣姿の動画や画像を組み合わせた、通称“魔改造(まかいぞう)”と呼ばれる編集がされていたということです。

 動画には、音楽や卑猥な文字がつけられていたといい、グループ内で共有されていたとみられます。

 一連の逮捕者は、容疑者で11人目です。

盗撮グループ犯行発覚ののきっかけは警察官の職務質問だった

 盗撮グループによる全国を舞台にした悪質な犯行。発覚のきっかけとなったのは…。

●各務実来記者:
「うぐいすパーキングエリアにあるこちらの駐車場で職務質問が行われた。深夜で大型車両は数台だった」

 去年10月、藤枝市の「谷稲葉うぐいすパーキングエリア」でパトロール中の警察官が職務質問を行った時のことでした。
 
 その一人が自動車警ら隊(けいらたい)の増田堅太(ますだ・けんた)巡査部長(31)です。

画像1: 盗撮グループ犯行発覚ののきっかけは警察官の職務質問だった

●静岡県警自動車警ら隊 増田堅太巡査部長:
「バイパス沿いの駐車場ということで、夜間色んな方が駐車されているものですから、警戒としてパトロールをしていたところで、そこに停まっていた車に声かけをした経緯。日曜日の夜ということでいろんな仕事をされている方がいらっしゃるかと思うのですが、本県から遠隔地に位置するナンバーの車だったので気になりました」

 車は他県ナンバーのレンタカーだったそうです。加えて、職務質問をする決め手となったのが、車が停まっていた場所だといいます。

●各務実来記者
「このパーキングエリアは大型と小型のエリアがある。軽乗用車は大型車両の駐車場に止まっていた」

●静岡県警自動車警ら隊 増田堅太巡査部長:
「大型車両が停まっている間に停まっていた。運転手の男性は仮眠をしていたので、体調不良の方とかもいるものですから『大丈夫ですか』と声をかけました。男性は仮眠していたんですけれども、警察官の姿を認めてちょっとびっくりしたようなかたちで起き上がって、おとなしくといいますか、落ち着いて話に応じていました」

 車内からは、のこぎりや望遠レンズの付いたカメラが見つかりました。

●静岡県警自動車警ら隊 増田堅太巡査部長
「ハイキングに行きますと話がありました。さらに最初は温泉旅行の帰りで疲れていたという話もあったので、温泉旅行に行って、ハイキングとはちょっと話が飛ぶなというところもあってのこぎりについても、本来持っている目的とは到底思えないような説明をしていたので、それについても一つずつ矛盾点をつくような形で質問をしていって、最終的に男も諦めて、隠し切れないところがあったのだと思いますが、そこで本来の目的である『露天風呂の盗撮に使います』と申し立てがありました」

 大規模犯行グループの検挙につながる、自白の瞬間でした。

 24時間態勢で、犯罪の予防や交通の取り締まりなどに従事している自動車警ら隊。

画像2: 盗撮グループ犯行発覚ののきっかけは警察官の職務質問だった

 パトロール中の“違和感”を見逃さなかったことが捜査のきっかけとなりました。

職務質問を受けた被告に有罪判決が

職務質問を受けたのは岡山市の無職の被告(33)でした。

 ほとんどの事件で盗撮の実行役を担っていたとして、
  
 2日静岡地裁は懲役3年、保護観察付きの執行猶予4年の判決を言い渡しました。

●被告:
「軽はずみな行為が被害者を苦しめることになってしまった。申し訳ないことをした」

画像1: 職務質問を受けた被告に有罪判決が

 判決によりますと、被告は主犯格の被告らと共謀し、露天風呂に入浴中の女性を撮影するため、登山道から山に入り望遠レンズを付けたデジタルビデオカメラを設置。

 迷彩柄の服を着て、盗撮の障害となる木や枝はのこぎりで伐採していました。

画像2: 職務質問を受けた被告に有罪判決が

 パトロールをきっかけに、次々と明るみとなっている組織的な犯罪。
  
 警察は全容解明に向けて、捜査を続けています。