放火殺人事件と断定し捜査本部設置 焼け跡から見つかった遺体の刺し傷は上半身に集中 静岡・掛川市

 静岡県掛川市で12日に起きた集合住宅の火災で、焼け跡から見つかった遺体にあった刺し傷が背中や腹など上半身に集中していたことが捜査関係者への取材で分かりました。静岡県警は14日、放火殺人事件と断定し捜査本部を設置しました。

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放火殺人事件と断定し捜査本部設置 焼け跡から見つかった遺体の刺し傷は上半身に集中 静岡・掛川市

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爆発音、そして火災 焼け跡から遺体

 窓から噴きあがる真っ赤な炎。大量の黒煙も立ち上っています。

近隣住民:「すごいワーワー燃えていて、すごい火が出ていた、上から。そのうちに下の階へ移ってきた」

近隣住民:「後ろのほうからドカンという音と風圧を感じてガラス片がバラバラと飛んできました。恐ろしかったです」

 12日午前、掛川市下西郷にある5階建て集合住宅で付近の住民から「爆発音が聞こえた火が出ている」と警察に通報がありました。火はおよそ2時間後に消し止められましたが、火元となった5階の一室を全焼し、焼け跡のトイレ付近から性別不明の1人の遺体が見つかりました。この部屋に一人で暮らす31歳の男性と連絡がとれていません。

 捜査関係者によりますと、遺体には何者かに刺されたとみられる傷が複数あり、背中や腹など上半身に集中していたことが新たに分かりました。

 遺体は一部に重度のやけどがあり、損傷が激しくうつぶせ状態で見つかりました。警察は14日、遺体を司法解剖し身元の特定を急いでいます。警察は先ほど放火殺人事件として
捜査本部を設置しました。急展開を迎えた今回の火事。一体、何が起きたのでしょうか。

火元の部屋は黒く焼け焦げ、窓枠も歪む

原川朋華記者:「火事が起きてから2日が経ちました。関係者によりますと同じ棟の住民の多くはホテルでの生活を余儀なくされているということです」

 火元の部屋は黒く焼け焦げ、窓枠も歪んでいます。布団が干しっぱなしになった部屋もあるなど、当時、現場が騒然としたことを物語っています。

 14日も現場周辺では遺留品を探しているのでしょうか、複数の捜査員が写真を撮る姿などが確認されました。

 この集合住宅の部屋の間取りは2DK、玄関の横にキッチンがあり、隣にはトイレ。この付近で遺体が見つかりました。

住民「治安はいい地域」

林輝彦アナウンサー:「この辺りは静かな住宅街です。目の前には片側一車線の道路もあるが、車通りは多くありません。近隣住民によると、このあたりで物騒な事件は聞いたことがないといい、皆さん一様に驚いています」

近隣住民
Q.この辺りの治安ってどうですか?

A.「全然問題ないところですね。いいところですよ。殺人事件っていうのは聞いたことないですね」

 火災が起きて以降、安否が分らなくなっている男性。昔からこの男性をよく知るという人も不安を隠しません。

男性を知る人:「彼の性格で人に危害を加えたり悪いことを自分からやる子じゃない。区の中でトラブルとか一切ない。ここにいた子でよく知ってるからできれば間違いであってほしい」

 近所の人によりますと、男性は2年前まで市内の別の場所で両親らと家族5人で暮らしていました。しかし、当時の家でも火災が起き、今の集合住宅に引っ越してきて男性以外の家族の一部は同じ棟の別の部屋で暮らしているということです。

 警察によりますと、これまでに男性からトラブルなどの相談はなかったということです。