自転車ヘルメット 静岡県内の現状～あくまでも「努力目標」なため定着には課題も
静岡県内では6日から一部の学校で新学期が始まりました。4月から自転車ヘルメットが努力義務化されましたが定着には課題も多いようです。
自転車ヘルメット 静岡県内の現状～あくまでも「努力目標」なため定着には課題も
4月1日、改正道路交通法が施行(しこう)され、自転車利用者のヘルメット着用が“努力義務”となりました。
これまでは13歳未満の子どもが対象でしたが、今回から全年齢への拡大となります。
5日の朝、JR静岡駅前では自転車に乗るほとんどの人がヘルメットを着用していませんでした。
こうした現状に、街の人の本音は・・・
10代:
｢高校が自転車通学だったが、(運転が)危ないってよく言われていたのでいいことかなと思う。｣
Q.自分はヘルメットをしようと思う？
｢(ヘルメットを)買うのも少し面倒だと思ってしまうし、着けるのも同じで面倒と思ってしまう。｣
40代:
｢安全を確保するという意味ではすごく大事なことかなと思うが、だいたい自転車で行くのって近場になると思うので、そうするとヘルメットを少しはしなくてもいいかなとなってしまうと思う｣
ヘルメット着用が“面倒”という意見もあるなか、こんな意見も…
70代:
｢自転車の事故は怖いし、自転車の運転って割と無謀じゃないですか。自分だけが行くっていう感じで走っていくので、着けていたほうがいいと思う。自分もそうだが、ぶつかった時に相手にも迷惑をかけるから｣
これはJAF、日本自動車連盟が自転車の事故で一番多いとされる｢出合い頭の衝突｣を想定した検証動画です。
自転車から転倒した際、頭が地面に打ち付けられています。
ヘルメットの着用は未着用時に比べて、脳へのダメージを17分の1にまで軽減。
警察によると、死亡率も3分の1に低下するといいます。
県警によると、過去10年間で県内で自転車乗車中に死亡した人は168人で、そのうちヘルメットを着用していなかった人は158人。全体の94％にも上ります。
ところが“努力義務化”の動きを受けて警察庁が静岡を含む13都府県で行った調査によると、ヘルメットの着用率は全国平均で4％。
静岡県は2.4%と平均以下、兵庫県についで“全国ワースト2位”でした。
【沼津市内の高校 午前7時半すぎ】
こちらは、けさの沼津市内の高校の通学の様子です。
やはり、ヘルメットを被っている生徒はほとんどいませんでした。
（高校3年 ※着用せず）:
「してないです、いつも。一番は高校生になってヘルメットは恥ずかしい。抵抗がある。周りも着けていない」
（高校3年 ※着用せず）:
「着けてません。髪の毛ボサボサになるのが嫌。親には着けろと言われるが、あまり着けたくない。周りが着けていないから」
ヘルメットを着けてきた生徒は…
（高校3年 ※着用）:
「学校に来る時はいつも着けている。親から安全のために着けなさいと言われ、自分的にもけがするよりは着けた方が大切だと思ったので、ずっと着けている。数千円で命を守れると考えたらそう高くはないし、着けるべきと思う」
在校生のほとんどが自転車通学というこちらの高校。
去年は生徒による自転車事故が25件起きたといいます。
こうしたこともあり、今年はある変化が・・・
県立沼津工業高校 古瀨裕也教頭:
「新入生についてはヘルメットを着用しなければ自転車登校を許可しない。
自転車に乗ってくる子は全員ヘルメットを被ってくることになる」
一方、2、3年生に対しては対応が異なるようです。
県立沼津工業高校 古瀨裕也教頭:
「2・3年生は入学時にそういうルールが無かったので、できるだけ被るようにと呼びかけはしているが、生徒の方が任意で被ったり被らなかったりということになる」
同じ学校内でも学年によって対応が異なる結果に。
あくまでも“努力義務”なため、学校側も頭を悩ませています。
県立沼津工業高校 古瀨裕也教頭:
「自転車で通う生徒が多いので、ここは坂が多くて坂を下ってくる時に転んで頭を打った生徒もかつていたのもあって、ルールができてできるだけヘルメットを被った方がいいのかなと思うが、今までそういうルールが無かった。世間一般でもそういうルールがなかったので、すぐに全員というわけにはいかない」
県教育委員会では、判断を各学校に委ねているといいます。
