富士市の住宅街にサル出没…追いかけられた子どもも 駆除に向かうも麻酔銃を誤射し女性に当たる /今週の静岡

 事故が起きたのは8月29日午後3時ごろ。JR富士川駅の南側、富士市中之郷の住宅街です。野生のサルの目撃情報を受け、市の担当職員と委託業者が現場へ。麻酔銃を使用できる距離にサルがいたため、委託業者が麻酔銃の準備を始めました。その際、空気漏れを防ぐために銃身にテーピングをしましたが、誤って引き金に触れ、サルの目撃情報を伝えに来た女性の左腕に麻酔銃の矢が当たったということです。

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富士市の住宅街にサル出没…追いかけられた子どもも 駆除に向かうも麻酔銃を誤射し女性に当たる /今週の静岡

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女性は一時意識を失う

白鳥衛記者(8月29日・月曜 共立蒲原総合病院):「こちらは現場から1キロほど離れた市内にある病院です。女性は麻酔銃の矢が当たった後、意識を失いこちらの病院へ搬送されました」

画像1: 女性は一時意識を失う

 麻酔薬の影響で女性は一時、意識を失いましたが、その後 病院で意識が回復。その日のうちに退院しました。麻酔薬の量は、体重15キロのサルに効果がある量が使われていたということです。

画像2: 女性は一時意識を失う

市の担当者「銃口を人に向けてはいけないのは基本中の基本」

この事故について 富士市の担当者は…。

富士市環境保全課 鈴木宏昌課長(8月30日):「サル捕獲で使っている麻酔銃がエアガン、要するに空気銃でして、圧縮されたガスを開放することで薬液が入った矢が飛んでいく仕組み。空気漏れがあると思うように薬が入った矢が飛んでいかないということになるので、この委託業者はそういったことが起きないように念のためにテーピングの作業をしていた」

 そもそも空気銃にテープを巻くことは、通常行われる作業なのでしょうか?

画像: 市の担当者「銃口を人に向けてはいけないのは基本中の基本」

富士市環境保全課 鈴木宏昌課長(8月30日):「テーピング自体はこの方の独特の手法になるので、通常はない作業。一番問題だったのは、どういう作業をするとしても、まずは銃口が人に向いていたというところが一番の大きな問題になる。銃口を人に向けてはいけないということは、基本中の基本なので、その確認を怠ってしまった」

専門家は

 30年以上、様々な銃の研究や取材を行っている専門家は・・・。

銃器ジャーナリスト 津田哲也さん(8月30日):「仮にテーピングの必要があったとすれば、矢を装填していない状態でやるべきことなので、あらかじめ矢を装填してしまっていて、手入れを始めテーピングをして準備を始めたというのは、これは通常の銃器としても危険性がある。誤射、暴発の危険性は必ずあるので、そういう手入れをする時には弾倉を空にしておくという措置は必要」

画像: 専門家は

 今回の事故について富士市の小長井義正市長は「人身事故が発生したことは大変遺憾であり、再びこのような事故が発生しないよう対策を講じます」とコメントしています。

7月ごろからサルの目撃情報

 富士市によると、この地域では去年の秋ごろから野生のサルが確認されていて、徐々に住宅街に出没するようになりました。そして7月ごろから、頻繁に目撃されるように。今回 事故が起きた現場のすぐ近くにある飲食店の店主も、2週間ほど前にサルを目撃したそうです。

画像: 7月ごろからサルの目撃情報

味処平和 大木秀仁店主(8月30日):「ここ、うちの駐車場なんですけど、この間もここに、道路向きに。ここに座っていて。こういう感じでむこうを向いて座っているんですよ。全然動かないです」

Q.大きさはどれくらい?

A.「座ってこれくらいだったので、大きいです。びっくりしちゃって、そのとき常連客もいて一緒に出てきてくれたら、(サルが)威嚇するようにこっちに向かって。びっくりして逃げるとかじゃなくて、ちょっと向かってくる感じだった。なので ちょっと危ないなということで、そのときは家に避難した」

人を威嚇したり、荷物を奪おうとしたり…

 出没したサルは、人を威嚇したり、荷物を奪おうとしたり、出合い頭に人をひっかくことも。また 付近の家庭菜園では、作物が食い荒らされる被害も出ています。市ではサルは2匹いるとみていて、そのうち1匹は凶暴な性格だといいます。目撃されたサルは、まだ捕獲されていません。

画像: 人を威嚇したり、荷物を奪おうとしたり…

味処平和 大木秀仁店主(8月30日):「僕たちもサルが身近に出てくると身の危険を感じる。子どもたちも登下校でサルに出くわしたりしてる子も結構この辺でいて、遊びに行ったらサルに追いかけられたとかって子どもも結構いるので、やはりそういうのは駆除していただくのが最善かなと思っている」

 富士市は今後のサルの捕獲については、県と協議して決めるとしています。