浜松市の「れんげこども園」園長自ら不適切な行為を繰り返した疑い 保育士不足の原因は園長のパワハラとの証言も
園の関係者:
「ほとんどの先生が園長が手を出すところを見ています。私たちも保護者の方に謝罪をしたい。子どもたちを守れなかったこと、痛い思いをさせてしまったこと、ごめんなさい(涙)」
私たちの取材に涙ながらに打ち明けてくれたのは、不適切保育などで改善勧告を受けた浜松市の「れんげこども園」の関係者です。
園の関係者:
「子どもたちのお腹が突き出るほどおしりを叩くだとか、頭を叩く、腕を叩く、げんこつをする、スマートフォンで頭を叩く、飲み物の入ったペットボトルで頭を叩く、音が出るほど、私たちは本当に日常的に見ていました」
「れんげこども園」では女性保育士2人が園児の足をつかむ、腕を引っ張るといった不適切な行為をしていたことが判明していましたが、園長自身も園児に対して不適切な行為をしていたことが分かりました。
林輝彦アナウンサー:
「午後7時前です。先ほどあちらの建物の1階のあの部屋で保護者説明会が始まりました。きょうは理事長、園長、顧問弁護士がこちらの園に子どもを通わせるおよそ80人の保護者に対して説明を行うということです」
先週金曜の夜、臨時で開かれた保護者説明会で、園側は一連の問題について謝罪。
その上で、青山一子園長が「園児の手の甲を叩く」、不適切な行為をしていたことが明らかになりました。
一方で、保育士の配置人数が基準を下回っていた問題をめぐっては、配置基準に関する理解不足や、慢性的な保育士不足が原因だったと説明。
時には保育士資格を持たない職員が対応することもあったそうです。
不適切保育に、保育士不足。園の内情について、関係者は―
園の関係者:
「休憩はまずなかったです。暗黙の了解でそれは取れるものではないとみんな思って働いていました。(労働時間が)多い方だと朝7時頃から夜の7時8時、12時間ぐらいの勤務になっていたと思います」
また、保育士不足の背景について、こう証言します。
園の関係者:
「園長によるパワハラがとても多くて途中退職する人がとても多かったです。去年で言いますと、5~6人は辞めています。保育に入れさせないとか、あとは本当に中学生のようないじめです。態度を変えるとか、顔色を変えるとか、それで精神的にまいってしまって、来られなくなった職員も何人かいました」
浜松市によりますと、これまでに複数の保育士から園長のパワハラに関する相談があったといいます。
園の別の関係者からも―
園の関係者:
「基本的に来たとしても園長先生のパワハラみたいなものを見てすぐに辞めちゃうんですね。だから続かないというのが一番の原因かなと。人(保育士)を入れてほしいと園長に言うと、『そういうことは責められているみたいだから言わないで』とバッサリ切り捨てられて、そうやって声を上げた職員が目をつけられて嫌味を言われたり、つらく当たられたりというのを目にしています。何回か」
さらに、園長の指導方針で子どもが危険にさらされていると感じたことも…。
園の関係者:
「汗をかく機能を発達させたいからと猛暑日でも園長先生の許可がないとエアコンをつけさせてもらえず、子どもたちの顔が真っ赤になっちゃって、もうこれ以上続けたら危険だったので、勝手にエアコンをつけたりしていた。5月でも30℃超えの日とかもあった時に、『いや、まだ5月でしょ。消して、汗をかく機能があるでしょ。育たないでしょ』と、怒られたことはあります」
保護者説明会終了後、報道陣の前に姿を見せた青山園長。
園側の見解を記した資料を配布しただけで、取材に応じることはありませんでした。
書いてないこともありましてですね…
れんげこども園 青山一子園長
「それが全てです」
青山園長は一連の責任を取る形で、5月末(まつ)に退職するということです。