【袴田事件】初公判10月27日 結審は来年3月27日か 姉ひで子さん「期待している」

袴田巌さんの姉 ひで子さん(12日):「裁判だから出てみなければ分からないが、それでも大いに期待している」

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 12日、静岡地裁で開かれた、いわゆる袴田事件の再審=裁判のやり直しに向けた5回目の三者協議で、大きな進展がありました。

袴田事件とは

画像: 袴田事件とは

 1966年、旧清水市でみそ会社の専務一家4人が殺害され、当時30歳の袴田巌さんが逮捕されました。袴田さんは一度は死刑が確定したものの、2014年、静岡地裁が裁判のやり直しを決め、袴田さんは48年ぶりに釈放されました。

 地裁の決定は2018年、東京高裁に取り消されましたが、その2年後、最高裁が審理の差し戻しを決定。今年3月、再審の開始が正式に決まりました。

検察側は「有罪立証」の方針

 これまで注目を集めたのは、検察が有罪の立証をするかしないか…。方針を示す期限となった7月10日、検察は…。

検察:「5点の衣類は犯行着衣であり、袴田巌さんが犯行時に着用していたものである。血痕に赤みが残ることは、何ら不自然ではない」

 検察は再審公判で袴田さんの有罪を主張する方針を示し、提出した法医学者の鑑定書など新たな証拠を調べるよう裁判所に請求しました。これに対し弁護団は、検察の方針は「審理の蒸し返しに当たる」として、静岡地裁に証拠を却下するよう求める意見書を提出しています。

画像: 検察側は「有罪立証」の方針

 裁判所が証拠を採用するか、しないか、その結果によっては審理の長期化につながる可能性もあることから、袴田さんの支援団体は12日、静岡地検に有罪立証の方針を取り下げること求める要請書を出しています。こうした状況の中で開かれた5回目三者協議。その後の弁護団の会見で“進展”があったことが明らかになりました。

初公判10月27日 結審は来年3月27日か

弁護団 間光洋弁護士:「裁判所から公判期日の候補日が示された。最短で10月下旬に第1回公判が開かれる可能性が出てきたのが、きょう(12日)の大きな進展になる」

 弁護団によると、地裁は10月27日を再審の初公判の候補日として提示しました。また、初公判後の候補日としては、11月~来年2月に各2回、3月に3回の計12日を示していて、最終日となる来年3月27日に結審させる見通しだということです。

画像1: 初公判10月27日 結審は来年3月27日か

弁護団 間光洋弁護士:「検察官の有罪立証を、この期に及んで許す前提については弁護団としては受け入れられない、納得できない面が大きくなります。他方で最後の結審までの道筋がある程度ついた点は評価できる」

 一方で、巌さんの早期の無罪判決を望む姉のひで子さんは喜びの表情を見せました。

画像2: 初公判10月27日 結審は来年3月27日か

袴田巌さんの姉 ひで子さん(12日):「1年以内には完全に巌は無罪だから、いい結果が出ることを期待している。57年であろうが58年であろうが、もう終わりと思うと本当にうれしい」

 次回6回目の三者協議は9月27日に予定されています。