79歳の妻を放置し死なせた罪に問われた74歳の夫 初公判で起訴内容を認める 静岡地裁沼津支部
去年、静岡県伊豆の国市の自宅で、転倒して寝たきりとなっていた当時79歳の妻を、医師の治療を受けさせずに衰弱死させた罪に問われている男は、初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めました。
伊豆の国市の74歳の無職の男は去年4月11日、当時79歳の妻が自宅で転倒し、寝たきりの状態になったにもかかわらず、治療を受けさせることなく5月31日に衰弱死させた保護責任者遺棄致死の罪に問われています。
静岡地裁沼津支部で開かれた27日の裁判員裁判の初公判で、被告は「間違いありません」と起訴された内容を認めました。
続く冒頭陳述で検察側は、「妻は酒に酔って転倒し、左股関節付近を骨折して自力で体位の変換が出来なくなっていた。床ずれが出来ていて痛みを訴えていた」とした上で、被告は「治療費を支払う余裕がないなどと考え、医師の治療を受けさせなかった」と指摘しました。
一方の弁護側は「放置していたわけではなく、食事を用意するなど介護をしていた」などと述べました。
続く被告人質問で、弁護側からの質問に対し被告は「おととし1月にも
妻は転倒し、1カ月くらいで歩けるようになった」「転んでも治るということを私も彼女も思っていた」などと説明し、「亡くなるとは思ってもいなかった」と述べました。
また、検察側から現在の心境を尋ねられると「4月11日に救急車を呼べばよかった」と述べました。