異例の展開…過失運転致死罪で起訴された女、初公判から一転して罪を認め、遺族に謝罪
ただ、傍聴した遺族は怒りをにじませています。
「初公判で否認をしていた被告ですが、今日の裁判では一転、起訴内容を全面的に認めました。交通事故関連の裁判では異例のことです」
起訴状などによりますと、沼津市の女性の被告(48)は去年1月、車を運転中三島市萩の交差点で信号が赤だったにもかかわらず交差点に進入し、原付バイクと衝突して、運転していた三島市の会社員の男性(当時50)を死亡させた過失運転致死の罪に問われています。
5月に開かれた初公判から5ヵ月間、被告は「青信号を確認して交差点に進入し男性にはぶつかる直前に気が付いた」などとして法廷で無罪を主張していましたが、きょうの公判で、これまでの供述を一転させ、「私はずっと青信号を見たと思っていたが、カーナビの解析から赤信号だったことが分かった」と語りました。
きょうは被告の車に設置されていたカーナビの位置情報などを検察が解析した結果が報告されました。
この結果から、当時被告が赤信号で交差点に進入していたと明らかになり、新証拠をうけて被告は初めて起訴内容を認めました。
さらに、これまで遺族に対して謝罪の言葉は一度もありませんでしたが、法廷で初めて自らの心情を次のように口にしました。
「私の過失により、男性の尊い命を奪ってしまいました。認めることが遅くなり、遺族に余計な心痛をかけてしまい、申し訳ございません」
この事件を巡っては、当初警察は男性側に過失があったとしていました。
しかし、これに疑問を抱いた家族が目撃情報集めに奔走し、有力な情報を警察に提出したことがきっかけで被告が逮捕、起訴されました。
法廷で涙を抑えることができなかった遺族。なぜ初めから罪を認めなかったのかと怒りを滲ませました。
●亡くなった男性の娘
「事故から1年9か月が経過していて、これまで四十九日であったり、月命日、一周忌とか謝罪する機会というのはあったと思うんですけど、そういう時にも謝罪は無かったですし、事故現場に献花があったわけでもなく、今回ここへきてカーナビの解析を見て言い逃れできないと思ってから謝りたいと言われても、今さら反省しているとは思えないので」
異例の展開となった裁判。
次回来月30日の公判では被告人質問が行われる予定です。