静岡県内でも盗難被害が相次ぐトヨタ・ランドクルーザー その巧妙な手口とそれに対する有効な対策を探る

トヨタ・ランドクルーザーの盗難被害が静岡県内でも相次いでいます。被害者の声を取材すると犯行の大胆さが見えてきました。その手口はどんどん巧妙化しているようです。
この映像は5月、滋賀県で防犯カメラが捉えた盗難の瞬間です。
国内だけでなく海外でも人気があるトヨタ・ランドクルーザーは、全国で盗難の被害が相次いでいます。
静岡県警によりますと、2025年1月から6月までに県内で発生した車の盗難被害は165件。
そのおよそ6割が ランドクルーザーだといいます。
富士市に住む佐野さん。
1月20日深夜、自宅に止めていた愛車のランドクルーザープラドを盗まれました。
ランクル盗難の被害にあった佐野さん(妻)
「(通勤で)家を出た瞬間になかったので、えっしか言葉が出なくて。頭が真っ白になった」
佐野さんはランドクルーザーを3年前に購入。
家族の生活に欠かせないものでした。
ランクル盗難の被害にあった佐野さん(妻)
「家計のことも考えながら 買った車ではあったので、それを一瞬で盗まれてしまって、本当にショックですし、子どもたちも気に入って乗っていたので」
佐野さんの自宅は交通量の多い道路に面していて、人目につく環境にも関わらず、被害に遭いました。
被害にあった翌日佐野さんの携帯に事件の経緯を知る知人から連絡が。

進士陸斗記者
「盗難があった住宅から 車で2~3分ほど離れたこちらの道路脇に、車検証やナンバープレートが捨てられていたということです」
捨てられていたナンバープレートは佐野さんの車のものでした。
他にも車に積んでいた子どもの服やブランケットなども 見つかりましたが、雨に濡れて使い物にならなくなっていました。
警察が捜査を進めていますが車は見つかっておらず犯人も特定されていません。
ランクル盗難の被害にあった佐野さん(夫)「いつ自分の身に起きてもおかしくないという感覚でいないと。窃盗犯たちも盗みやすいと思うので意識を変えていって…」

最近の盗難事件では「CANインベーダー」という特殊な機器を使った手口が多いといいます。
この手口は車の左前のタイヤの近くに「CANインベーダー」を接続。
車を制御するコンピューターにアクセスし、不正にドアロックを解除、エンジンを始動します。
こうした手口に有効な対策は。
静岡県警生活安全課 小松航警部
「タイヤロック・ドアロックといった防犯アイテムを使うと乗り降りが多少困難にはなりますが、防犯として目立ち、破壊が困難ということで一定の抑止効果があります」
また車の左側を壁側に寄せて止めると、犯人が特殊な機器を接続できないため効果があるといいます。
静岡県警生活安全課 小松航警部
「犯罪者たちが使う盗難の手口は日々進化してしまっています。防犯対策を複合的に取り入れて、自動車が盗まれない環境づくりをしていただければ」
