「病気と向き合えばよかった」 運転中に意識を失って追突し2人を死傷させ危険運転致死傷罪に問われた被告  静岡地裁浜松支部

 浜松市で2023年7月、虚偽の申告をして免許を更新後、車で軽乗用車などに衝突し、2人を死傷させた危険運転致死傷罪などに問われている男の裁判で、被告は「病気と向き合えばよかった」と涙ながらに話しました。

 浜松市中央区の無職の男(47)は2023年7月、運転免許を更新する際、過去5年以内に病気で意識を失ったことがあるかどうかの質問に対し、実際には意識を失ったことがあるにもかかわらず、ないと申告し免許を更新。

 4日後、浜松市浜北区平口の国道152号で車を運転中にてんかんの発作で意識を失い、赤信号で止まっていた軽乗用車とトラックに追突し2人を死傷させた危険運転致死傷罪などに問われています。

 24日の裁判で男は「てんかん発作の前兆がありながら車を運転したことが理解できない」と述べ、運転開始前から意識を失っていたと主張しました。ただ、事故を起こしたことについては認めていて「てんかんを持ちながら車を運転し続けていたことが間違っていた。病気と向き合えば良かった。本当に申し訳ない」と涙ながらに遺族に謝罪しました。

 また、「仕事を失うことが怖く普通の生活を送りたかった」と医師から車の運転を控えるように言われても運転をし続けた理由についても話しました。

 これまでの裁判で弁護側は「てんかんの発作で運転前から正常な判断ができる状態ではなく、責任能力はない」と、危険運転致死傷罪について無罪を主張しています。

 この裁判はてんかんの発作が始まったタイミングを巡り、責任能力の有無が争点となっていて次回は9月11日に結審します。

静岡地裁浜松支部
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