男性を狙った計画的な犯行か 「静かに入ってきて被害者の後ろに立ち、鞄からナイフを出して…」 静岡市駿河区 公民館殺人事件
３日午後７時半ごろ、静岡市駿河区の中島浜公民館で、男性・７８歳が男にサバイバルナイフのようなもので背中を何度も刺され死亡しました。
公民館の２階では、地元自治会などによる会合が開かれていて、参加していた地元住民によれば、今週末の地元の夏祭りに向けた最終の打ち合わせを行っていたそうです。
自治会の幹部や役員など、５０人ほどが出席。
亡くなった男性は、地元小学校の学区の連合自治会長を務めていました。
犯行を目撃した人 会合に参加した女性
「会ももうじき終わるって頃に後ろのドアから静かに入ってきた男性がいたの。いきなり私の後ろを通って、被害者のところに来て、いきなり前にかばんか何か持ってたと思うんですけど、そこからナイフを出して、いきなり逆手でブスッてやったもんで、私はああ刺されちゃったと思って」
Ｑ．刺した場所は？
「背中ですよ、背後からだから背後からいきなり」
目撃者によれば、男は会合の終盤に、部屋の後ろにある入口から突然現れました。
他の参加者には目もくれず、会場後方にいた男性のもとへまっすぐ向かうと、男性の背中をいきなりナイフで刺したあと、脇腹付近も刺したとみられています。
犯行を目撃した人 会合に参加した女性
Ｑ．何回ぐらい刺した？
「一度やって抜いて、あと２回ぐらいこうやって振ってましたよね、ナイフを」
現場に居合わせた人 会合に参加した男性
「静かに入ってきたから遅れてきた役員さんかと思った。男性の真後ろにスっと行って、何かを取り出したのが見えた」
現場に居合わせた人 Ｂ
「顔を上げたらその凶行に及ぶ瞬間だった。会長（亡くなった男性）が声を上げたことで気づいて」
５０人ほどが居合わせた現場で、突然起こった凶行。
会合の参加者たちは７～８人ほどで、椅子やテーブルでバリケードを作り、犯人の男を抑え込んだといいます。
現場に居合わせた人 会合に参加した男性
「取り押さえている時間１０分くらいはそのままだった。抑えた瞬間は抵抗していたが、十何人で抑えて動けなかった。警察が来る前に首を切ったのか、横に倒れてぐったりとしていた」
男性を襲ったのは、５０代の男。
その場で自らの首をナイフで切り、病院へと搬送され、現在も治療が続いています。
現場では、凶器となったサバイバルナイフが複数本押収されました。
元静岡市の職員として、２００６年度に都市局長を務めて退職した男性。
地域の活動にも積極的に取り組む、リーダーのような存在だったそうです。
犯行を目撃した人 会合に参加した女性
「何かと面倒も見てくれるし、いい人ですよ」
現場に居合わせた人
「自治会に住んでる方たちのためになることを、交流できる場をということでいろいろ考えてくださって（声震わせて）こんな早く亡くなる方じゃないんですよ。こんなふうに亡くなっていい方じゃない」
２０１５年に中島地区で突風被害が起きた際、自治会長として番組の取材に応じていました。
中島浜自治会長（当時）
「家の瓦が飛んだりとか、あるいはその瓦が飛んで作業小屋の屋根が穴空いたりとかを見て、こんな大きな被害が出るとは思わなかった」
今回の事件、複数のサバイバルナイフをかばんに入れて持ち込んでいたことから、計画的な犯行だったとみられています。
男は地元・中島地区に住んでいて、去年は自治会の役員を務めていました。
会合に参加していた住民は、男がうめき声のような奇声を上げながらナイフを振り回していたとも証言しています。
被害者の男性だけを狙った、強固な殺意をうかがわせる、今回の犯行。
男性と男の間に目立ったトラブルは明らかになっていませんが、気になる証言も…。
現場に居合わせた人 会合に参加した男性
「（刺した男の）庭木があまりきれいに剪定されていなくて、道路にはみ出たり、子どもも避けて通らないといけないし、車も危ないとかそんなのもあって、ちょっと注意したというのは聞いたことがあった。ちゃんときれいにしてくださいねということは言ってたりしてたみたいだが、でもそれであんなことしますかね」
また、男性を襲った男は、１０年以上前から農業をやっていて、男性とも同じ農協の支部に所属していたそうです。
現場に居合わせた人 会合に参加した男性
「（刺した男は）１０年以上前に部農会の会計をやってくれたことがあって、別にそれは普通にこなしてくれた。頼めば普通にやってくれる、あまり口数は多くないが普通の人かなと思っていた」
事件から２日経った４日も現場には規制線が張られ、朝から警察による鑑識作業が行われていました。
警察は殺人容疑で捜査を続けていて、男の体調の回復を待って逮捕する方針です。
