警部補自殺両親逆転敗訴 広島高裁静岡県への賠償命令取り消す「死亡と業務の間に相当な因果関係があるとは認めがたい」
静岡県警の警部補が自殺したことに対し、両親が損害賠償を求めていた裁判の控訴審で、広島高裁は一審判決を取り消し両親の請求を棄却しました。
この裁判は2012年静岡県警の30代の男性警部補が自殺したのは過重な業務によってうつ病などを発症したことなどが原因だったとして、広島県福山市に住む両親が静岡県に対し損害賠償を求めていたものです。
一審で広島地裁福山支部は被告の静岡県に対し警部補の両親に220万円の支払いを命じる判決などを言い渡していましたが、県はこれを不服として控訴していました。
15日の判決で広島高裁は「長期間にわたって質的に過重な業務を行ったとは言えず、死亡と業務の間に相当な因果関係があるとは認めがたい」などとして、損害賠償の支払いを命じた一審の判決を取り消し、両親の請求を棄却しました。
静岡県は広島地裁福山支部が警部補の妻と子に対しおよそ1億130万円の支払いを命じた一審判決についても控訴していて、17日判決が言い渡されます。