22台の防犯カメラが見ていた…ぬいぐるみ大量万引き事件その後（1）　店内を40分物色…犯行は店員が4人から2人に減った直後か　静岡・島田市

おもちゃのポッポ　鈴木博之店長：「万引きという言葉があるが、窃盗なのに軽く受け止めて、『欲しくなったから盗みました』はちょっとひどい話だと思います」

　今回、万引き事件の現場となった「おもちゃ店」を取材すると、この店が、全国各地から、そして海外からもお客さんが集まる超人気店だということが分かりました。

おもちゃのポッポ　鈴木博之店長：「全国でもトップレベルだと思います」
Ｑ：ミニ四駆？
Ａ．「はい、ミニ四駆」

島田市内からの来店客：「ほんとに宝箱みたいなお店ですね」
東京からの来店客：「雰囲気がドンキに似てない？　雑多な風景の中だけど、その中に転がっていそうな物がある」

　今週の「ニュースの現場」は、２２台の防犯カメラが捉えた、ぬいぐるみ万引き事件の詳細。さらに、テレビ報道のあとに起きた、意外な反響に迫ります！

被害に遭ったおもちゃ店

伊地健治アナウンサー：「島田市の幹線道路沿いにあるおもちゃ店です。個人経営のお店としては少し大きめのつくりとなっています。今月８日、この店で、ぬいぐるみが万引きされる窃盗事件が起きました。逮捕されたのは、３９歳の女でした。そして、その犯行の一部始終は、防犯カメラに映っていたのです」

　事件は、８日午後５時半すぎ。島田市にあるおもちゃ店、「おもちゃのポッポ」で発生しました。その時の状況を、店長の鈴木さんに聞いてみると…。

鈴木店長「こちらになります」
伊地アナ「すごい、商品が天井まで陳列されています、すごい量です」
鈴木店長「こちらがぬいぐるみのコーナーになります」
伊地アナ「ぬいぐるみのコーナー？」
鈴木店長「コーナー別に、いろいろな専門店が入っているような感じを目指してやっています」
伊地アナ「ここはぬいぐるみオンリーのスペース」
鈴木店長「ぬいぐるみゾーンということになりますね」
伊地アナ「すごい、もうびっしりと棚にぬいぐるみが陳列されています」

　女は、店のスタッフが、４人から２人に減った直後に、犯行に及んだとみられています。

伊地アナ：「当時、店にいた従業員の話によると、逮捕された女は、このあたりで４０分ほどぬいぐるみを物色していたということです」

鈴木店長「店員はぬいぐるみを抱えている人がいるのを把握していたが、ふと気が付くと、その方がいない、どこに行った？　という話になったらしいんですよ」
伊地アナ「見ながら、抱えて立っていた、両腕に？」
鈴木店長「そうです」
伊地アナ「買うのだろうと思いますよね、気づいたらいなかった？」
鈴木店長「犯行の（防犯カメラ映像）を見ると、外まで数秒で出て行った」

店内には２２台の防犯カメラ

　このように、大人１人が、やっと通ることができるほどの狭い通路を、女は、両腕に大量のぬいぐるみを抱えて歩いていました。その先には…。

鈴木店長「もう出口ですね、ここの所で、しばらくここで、レジのほうを見ていたんですよ」
伊地アナ「向こうにレジがあるんですね」
鈴木店長「ぬいぐるみを抱えたまま」
伊地アナ「出口はここにあって、向こうのレジを確認して、それでどうしたんですか？」
鈴木店長「たぶんお客さんが来たらレジの人が、向こうに気を取られますので、そこでもうこの出口から、さっと１秒２秒で出た」
伊地アナ「ここからぬいぐるみを抱えて、この出口から？」
伊地アナ「ぼく驚いたのはこれなんですよ、店内各所ライブカメラ起動中、不定期にＳＮＳ等で生配信を行うことがありますので、ご了承くださいって、こんなに鮮明な画像で、この場所いまカメラで撮られていますよということですよね。見ると、いろいろな所に防犯カメラがあると私も感じます。あれ、カメラですよね」
伊地アナ「ああいうのが店内にどのくらいある？」
鈴木店長「全部で２２台ですね」
伊地アナ「こんなにカメラが多いのに、堂々とぬいぐるみを抱えるって」
鈴木店長「それが最初信じられなかったんですよね」

　防犯カメラは、４年前に設置され、２２台分の費用は、およそ１０万円。店長をはじめ、スタッフ全員が、スマートフォンで映像を確認することができます。

いたるところに盗難防止の掲示も

　また、店内のいたる所に、盗難防止のための掲示も行っています。

伊地アナ：「ぬいぐるみを両手に抱えた女は、店を出てこのあたりを歩いて駐車場の隅のほうに向かっていたということです。その様子は、外にあるこちらの防犯カメラにもしっかりと映っていました」

　駐車場に向かう女の姿をとらえていたのは、こちらの自動販売機の上に設置された防犯カメラです。映像を見ると、女が大量のぬいぐるみを抱えて駐車場に止められた白い車に向かっているのが分かります。

鈴木店長「ここに車が止めてあって、女性の車ではなくて、お客さんの車だったんですけど、そこに隠れて、ここで消えるイメージ」
伊地アナ「消えて、もう１回、手ぶらで戻っていく様子が映っていましたが、ぬいぐるみはどうしたんですか？」
鈴木店長「このへんに隠したらしいです」

　ふたたび防犯カメラの映像です。女は駐車場に向かったあと、今度は手ぶらで店の方向に歩いていきます。慌てているのか、なにかを落として拾う様子も映っています。

伊地アナ「またこっち来るんですか？」
鈴木店長「そうです、隣のレストラン（の駐車場）に車を止めてあって、そちらから、こちらに来るまで（ぬいぐるみを）取りに来た形」
伊地アナ「自分の車で戻ってきた？」

「ほんとに残念」

　２００１年にオープンして以来、万引きは数えるほどしか発生してないという、「おもちゃのポッポ」。今回の被害については…。

おもちゃのポッポ　鈴木博之店長：「ほんとに残念ですね、聞いたときは、へこみましたけどね。まさかうちでそんなことが…という感じですね、みんなで楽しい空間で会社のこと、いやなことを忘れて、みんなで子どもにかえって遊びを広げるところですので、急にこういうことがあると、現実に戻されるような、いやな面が見えちゃうなという感じですね」

６日後に３９歳の女を逮捕

　犯行から６日後の、１４日。警察は、藤枝市に住む３９歳の無職の女を窃盗の疑いで逮捕しました。ぬいぐるみ３点、合わせておよそ８０００円相当を盗んだ疑いが持たれています。警察によりますと、被害品は、このほかにも９点あり、女の自宅などからみつかっています。また、女は「盗んだことは間違いない」と、容疑を認めているということです。

おもちゃのポッポ　鈴木博之店長
「これが抑止力になればと思う、ほんとに。万引きは何となく、万引きというのは窃盗なのに、軽く受け止めて、『欲しくなったから盗みました』はちょっとひどい話だと思いますね」