袴田弁護団事務局長が会見「5点の衣類が犯行着衣であった根拠はなくなり特別抗告する理由はない」

東京高裁が再審開始を認めた袴田事件で弁護団が都内で会見を開きました。検察のみそ漬け実験の画像を解析した結果、「血痕の赤みが残る」という検察の主張は間違っていると改めて強調しました。

画像: 袴田弁護団事務局長が会見「5点の衣類が犯行着衣であった根拠はなくなり特別抗告する理由はない」 youtu.be

袴田弁護団事務局長が会見「5点の衣類が犯行着衣であった根拠はなくなり特別抗告する理由はない」

youtu.be

小川秀世弁護士:
「犯行着衣であるということを裏付ける証拠は何もないわけですから、そういう意味で、もうとても特別抗告の理由をそもそも書くことができないと思っています」

 袴田事件で弁護団の事務局長を務める、小川秀世弁護士。

 16日都内で会見を開きました。

小川秀世弁護士:
「今回の決定の中で重要なのは、「五点の衣類」が元々犯行着衣であったという根拠を率直に言って叩き潰している。捏造の可能性を今回の決定は前提としているから、(犯行を)推認する力はほぼないと言っている」

伊地健治アナウンサー
「再審開始です!」

 13日に東京高裁が出した袴田事件の再審を開始する決定。

 その大きなポイントとなったのが、袴田巌さんの犯行着衣とされていた「五点の衣類」です。

 東京高裁は、弁護側の実験結果を新たな証拠として採用したうえで、これらの衣類は捜査機関の手で隠された可能性が高いと判断しました。

 また、5点の衣類以外に袴田さんを犯人と裏付ける有力な証拠がないことなどを、再審を決めた理由として挙げています。

 小川弁護士は、仮に東京高検が抗告した場合、最高裁では衣類に残っていた「血痕の色」が争点になるとみています。

小川英世弁護士:
「赤は血痕の赤ではなくて、味噌の赤色、味噌の茶色をそういうふうに述べているだけだというようなことですね。専門家にお願いをして、いろんな分析をした結果、明らかになったという意味では、もはや検察官が1年2カ月経っても赤みが残っている、周囲に赤みが残っているというようなことは、科学的に全然間違った主張に過ぎないんだということを明らかにできるという、それがもうすでに専門家の力を借りて、こちらとしてはすぐにでも鑑定書を提出できるような状況にある」

 小川弁護士は、検察の実験写真の色合いを独自に解析した結果を発表。

 検察が主張するように「血痕に赤みが残っていた」としても、専門家によると、それは血痕ではなくみその色だと主張しました。            」

画像: 袴田弁護団事務局長が会見「5点の衣類が犯行着衣であった根拠はなくなり特別抗告する理由はない」