被害者が語るその手口…ニセ警察官に呼び出されホテルに監禁 新たな形の特殊詐欺か 静岡県
警視庁の警察官を名乗る男:「あなたの銀行口座が、特殊詐欺のマネーロンタリングに使われている」
被害者:「警視庁を名乗る男が電話をかけてきて、千葉県警につなぐというような名目で電話をかけてきました」
男性は4年前に作ったものの、現在は使用していないクレジットカードの存在を思い出します。
被害者:「(カードを)作ったとかもう忘れていて、(悪用が)なんかありえない話でもないかなって思っちゃいました」
捜査に協力しようと自身の免許証を写真で送付。その後、犯人グループとされる5人の男女の顔写真が送られてきたといいます。さらに、「警察手帳と逮捕状」の写真も。
被害者:「本物っぽいなと、どんどんマインドコントールされちゃいましたね」
ニセ警察官「キャッシュカード全部持ってホテルに来て」
すると男性は“ある指示”を受けたといいます。
被害者:「誰もいないことの証明としてビデオ通話で一時的にちょっと見たいみたいなんで、LINE電話が始まって」
さらに警察官を名乗る男は…。
千葉県警の警察官を名乗る男:「キャッシュカードだけ全部持ってホテルに行きましょう」
少し話せば事件とは関わりがないことが証明できると、安易な気持ちで自らホテルへ。ところがそこで待ち受けていたのは。
被害者:「最初の方は結構やりとりがあったんですけど、2日目、3日目ホテルに監禁されてからはほとんど放置みたいな状態でしたね」
待っていたのは事実上の監禁生活。
被害者:「机と椅子があって、スマートフォンを置いて、両手と顔が映るような状態で常に座って待機で、その裏にベッドもあったので、寝てる時もそこにスマートフォンを置いて全体が映ってるみたいな状況でしたね」
さらに…。
被害者:「食事は一切取らなかったです。手洗いと水に関しては何か許可が必要みたいな話で」
ホテル滞在中、親族から心配する連絡がありましたが…。
被害者:「僕が母親向けに作って、犯人も確認して母親に送るみたいなのをずっとやってました」
ビデオ通話という形式にも関わらず徹底された監視生活。ただ、「取り調べ」が行われたのは3日目のみで、その際は一番お金が入っているキャッシュカードの情報を送るよう指示されたといいます。
そこで母親にホテルの電話からキャッシュカードの写真を送るよう連絡をいれます。
被害者(再現):「キャッシュカードの写真がないと会える時期が遅れる。立て込んでいるから急いでほしい」
不審に感じた母親は固定電話の番号から場所を突き止め現場のホテルに急行。男性は母親と本物の警察官に保護されました。
被害者:「全く警戒心がなかったので、(被害に遭うと)思ってなかった」
被害者の男性の母親:「(被害に)あってしまった場合のその防ぎ方に、その関所みたいなところは必要だなって感じた、そう思いました。おかしいなという家族の違和感は、やっぱり大事なものなのかなと思うんです」
増加する特殊詐欺
近年増加している特殊詐欺。県内の今年の被害額はすでに28億8300億円を超えています。これは去年よりも約15億円多く、まさに異常事態と言える状況です。こうした被害を受け、警察では市内のホテルなどに特殊詐欺への注意喚起を行いました。
警察官:「警察官を語るものから電話があったりとか、お客様が(詐欺とは気づかずホテルを)利用する場合があるので、各項目が該当しないかだけ確認をしてほしい」
ビデオ通話を利用した事実上の監禁被害。警察は特殊詐欺事件の新たな形の1つとして捜査を進めています。

