浜松女子中学生誘拐事件…背景にいじめか 少女の遺族がコメント「繊細で優しい子でした」 学校側は調査実施認める
娘を失った両親の声。浜松市の中学3年生の15歳の少女は、先月16日、浜松市のキャンプ場で遺体となって見つかりました。
警察は、少女を誘拐した疑いで、33歳の男を逮捕。男は「自殺しようと思ったが、自分だけ死にきれなかった」などと話しているということです。
弁護士「わずか数カ月で登校できない状態に…」
事件からおよそ2週間―
遺族の弁護士 鈴木重治弁護士(2日):「少女は希望をもって中学校生活を始めたものの、わずか数カ月で登校できない状態になってしまいました。原因はいじめです」
遺族の弁護士が会見を開き、少女の両親の言葉を読み上げました。少女は3年前に浜松市内の中学校に入学。その数カ月後に不登校になったそうです。そのきっかけが、いじめだったといいます。
Q.今回の事件との因果関係は?
鈴木弁護士:「今回の結果につながっていると理解しています」
Q.いじめによって事件につながった?
鈴木弁護士:「当然いじめ不登校があって、いろいろあってこうなったと」
少女はいじめによる心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、定期的な通院を重ねていたそうです。会見では、学校側が第三者委員会を設置して調査していたことも明かされました。弁護士によりますと、調査はおととし2月から始まり、同じ年の11月に学校側の責任を認める報告書がまとめられたということです。
Q.第三者委員会の結論はいじめがあったという結論か?
鈴木弁護士:「はい。報告書の中では、いじめの重大事態というのは書いてあった。いじめの認定はされたが、それ以前にいじめが発覚したところでの、学校の対応があまりよくなかったということは報告書の中で認めている」
学校は第三者委員会が調査したことは認めたが…
これに対して、学校は5日、弁護士を通じてコメントを発表。少女へのいじめについて、第三者委員会が調査していたことを認めました。一方で、調査の結果や実際にいじめがあったかどうかについては、「プライバシーに関わることであり、関係者が影響を受けやすい年齢である」として、明らかにしていません。
遺族「決して人を傷つけることをしない子でした」
わずか15歳の少女が死亡した背景には何があったのでしょうか。少女の両親は弁護士を通じて、こうコメントしています。 女子中学生の両親(原文ママ):「(少女の実名)は繊細でとても優しい子でした。人が大好きで、自然が大好きで、読書が大好きで、何よりも決して人を傷つけることをしない子でした。」
「何を想っても、私たちの大事な(少女の実名)はもう帰ってきません。ですが、いじめ問題をきっかけに辛い思いをする子供、家族がこの世から少しでも減ることが(少女の実名)の弔いになると私たちは考えており、いじめ問題で苦しむ方々が少しでも救われるよう祈っています。」