スプリンクラー誤作動問題 事故調査委員会が最終報告「原因は特定できない」 静岡・裾野市

去年9月、静岡県裾野市の施設でスプリンクラーが突然作動し、焼津市の楽団の楽器などが水浸しになった問題で、市が設置した事故調査委員会は「原因は特定できない」と結論付けました。

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スプリンクラー誤作動問題 事故調査委員会が最終報告「原因は特定できない」 静岡・裾野市

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 この問題は去年9月、裾野市民文化センターの大ホールで、焼津市の楽団「シンフォニエッタ静岡」がリハーサルを終えたところ、会場のスプリンクラーが突然作動し、楽器などが水浸しになったものです。

 裾野市は去年から専門家など第三者で構成される事故調査委員会を設置して、スプリンクラーの実証実験や目視で漏水状況を確認する経過観察調査などを行い、原因の究明を進めてきました。

 27日調査委員会は裾野市への最終報告を行い、原因として可能性が指摘されていた配管内の水漏れは「誤作動を起こし放水につながる水量には達していなかった」と説明しました。

 一方、メーカーがバルブを取り外して行った本体の調査では、内部に傷を発見し、そこからわずかな時間で放水の解放弁が作動してしまうほどの漏水が確認されました。調査結果に矛盾があり、また当時の状況を再現することが難しく、これ以上調査ができないことから事故調査委員会は次のように結論付けました。

事故調査委員会 近藤淳委員長:
「本件事故の原因は特定できない。ただし、本件事故が人的な操作以外で発生した可能性は排除できないということになります」
 今回の事故原因とは別に、近藤委員長はバルブ内の傷は大きな問題であると指摘しました。

事故調査委員会 近藤淳委員長:
「バルブっていうのは(水を)止めるためにつけているので、傷っていうのは本来ならばあってはならない。傷があるっていうのは問題だと思います」

 裾野市の村田悠市長は最終報告を受け、「内容を精査し、対応を検討していく」とコメントしてます。

 一方、被害を受けた楽団シンフォニエッタ静岡は、「被害者を放置し続けた市長に責任があるとし、直ちに補償を開始するよう求める」ということです。

 また裾野市は、人の手による作動の可能性も考えられることから警察に相談しているということです。