全国で相次ぐ高齢ドライバー事故 見直し進む「運転技能検査」 自動車学校の現場では…
用水路に転落した軽ワゴン車。クレーンで吊り上げられていきます。ハンドルを握っていたのは、75歳の男性でした。
全国で相次ぐ、高齢ドライバーによる事故。一定の違反歴がある75歳以上のドライバーには、免許更新の際、高齢者講習に加えて「運転技能検査」が義務付けられています。高齢ドライバーの事故を受け、4年前に導入されました。
静岡市の「古庄自動車学校」。こちらでは月に2回、高齢者講習と「運転技能検査」を行っています。
古庄自動車学校 草島広昌指導員:「皆さん緊張しています?ちょっと深呼吸しましょう」
Q.「きょうは何月何日?」
受講者「7月4日」
Q.「何曜日ですか?」
受講者「土曜日」
「ばっちり」
検査では、コースを走りながら、指示された速度での走行や一時停止といった5つの項目をチェックします
(指示速度による走行、一時停止、段差乗り上げ、右折左折、信号通過)。
77歳女性×草島広昌指導員
女性「(いつもと)違った車を運転するのが、もう緊張」
指導員「ちょっとプレッシャーかもね」
静岡市内に住む77歳の女性。自宅の近くで物損事故を起こし、運転技能検査を受けることになりました。
中西祐加ディレクター:「運転技能検査が始まりました。まずは外周1周をぐるっと回っていきます。続いて一時停止のポイントに向かいます」
見通しの悪い交差点。その前で、一時停止。
77歳女性×草島広昌指導員
指導員「右側の3番が見えますよね。3番の交差点を右折します」
検査は減点方式で、70点以上が合格。仮に不合格になっても、免許の期限内であれば、何回でも受けることができます。
難所の一つ、「段差の乗り換え」も…。
77歳女性×草島広昌指導員
指導員「ブレーキから足を離して、ゆっくり踏んでいきましょう。上に乗ったらすぐに止まります。良いですね」
事故の原因になりうる、「アクセルとブレーキの踏み間違い」。こちらも、落ち着いてクリアしました。
静岡市在住77歳女性:「緊張はしていたけど、どうにかこうにかね、車に乗らなくても、(免許)更新はしないと、いざという時に乗れないでしょ」
去年1年間、県内で「運転技能検査」を受検したのは6700人。合格率は90%以上です。今、この検査の“見直し”の議論が始まっています。
警察庁 日下真一交通局長:「運転技能検査の合格者が起こした交通事故における法令違反では、前方・左右の安全不確認が多いなどの特徴が見られたことから、さらに運転技能検査の内容の充実を図る必要があるものと認識しています」
警察庁が受検後およそ2年間の交通事故の発生状況を調査したところ、10万人あたりの交通事故は1575件。違反歴がない人に比べて、事故の割合は2.8倍に上ったそうです。
取材に訪れた日、受検した7人のうち6人が合格。5人は満点でした。
古庄自動車学校 草島広昌指導員:「自分の運転を過信しないことが一番必要。例えば家族の方に横に乗ってもらって、「私の運転怖い?」って聞いて「怖いよ」って言われたら、ちょっと考えてもらうとか、自分の運転を自覚していただきたい」
警察庁は8月をめどに、運転技能検査に関する報告書を取りまとめたいとしています。