【裁判】「50歳息子の夕飯を考えていて前を見ていなかった」85歳女性死亡ひき逃げ事件 ボンネットにはね上げフロントガラス破損も逮捕が怖くて逃走 76歳女に拘禁刑3年6カ月を求刑 静岡・焼津市

 去年12月静岡県焼津市で、当時85歳の女性を車ではねて死亡させたうえに逃げた罪に問われている女の裁判で、検察は拘禁刑3年6カ月を求刑しました。

 起訴状などによりますと焼津市の介護施設職員の女(76)は、去年12月焼津市の県道で乗用車を運転中、時速およそ45キロで近くに住んでいた女性(当時85)をはねて死亡させ、そのまま逃げた罪に問われています。

 7月21日に静岡地裁で開かれた初公判で、女は起訴内容を認めました。

 検察は調書を読み上げ「50歳の息子の夕ご飯を何にしようか考えていて前を見ていなかった」「逮捕されるのが怖くて逃げることにした」と女の動機を明らかにしました。

 その後被告人質問が行われ、女は「早く自宅に帰宅して事故を息子に報告しようとしたが、息子の夕ご飯の準備で報告できなかった、まさか亡くなるとは思っていなかった」と当時の状況を明らかにしました。

 また検察から当時の状況を問われても、ほとんどの質問に対し女は「覚えていません」と答えました。

 一社紀行裁判官からは「事故の報告よりも息子の食事が大事なことなのですか?」「息子の食事はどうでもよくないか?」という質問があり、女は「そうですね」と答えました。

 検察は冒頭陳述で、衝突時に被害者がボンネットに乗ってすぐ落ちる動きをみたり、フロントガラスが蜘蛛の巣状に割れたのを認識したりしているにも関わらず、逮捕されるのが怖いという身勝手な考えで立ち去った行為は、悪質で過失が重大であると指摘。

 また女は事実を認めているが、ほとんどの質問に対し「覚えていない」と返答する態度は反省しているようには思えず、事の重大さを認識していないとして拘禁刑3年6カ月を求刑しました。

 一方弁護側は事実を認め反省し再犯の恐れがないとして寛大な判決を求めています。

 また被害者の長女が切実な思いを意見陳述しました。「深い愛情で優しく支えてくれた母のいない現実に胸が締め付けられる」と涙を流しながら現実を受け入れられない心境を話しました。そのうえで「被告のはねた後その場から逃げた行為は許せない」と激しい怒りをあらわにし、家族の日常を壊したとして被告に最も重い処罰を求めました。

 判決は8月19日に言い渡されます。

静岡地裁
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