焼津漁港の冷凍カツオ窃盗事件、第2ルートの裁判始まる…被告人質問で「そこでやっていけるなという甘い考えがあった」との証言も
「今、県警の捜査員らが、青い箱を持って焼津漁協の建物の中に入っていきました」
一連の冷凍カツオ窃盗事件で19人を逮捕…その手口とは
焼津漁港を舞台におととしから去年にかけ、相次いで発覚した冷凍カツオ窃盗事件。
警察はこれまでに冷凍カツオが横流しされていた3つのルートを立件。
漁協職員や水産加工会社元役員ら、19人を逮捕しました。
3つのルートの構図は次の通りです。
業者が競り落としたカツオは通常、漁協の職員が計量します。
しかし、一部のカツオは計量されずに抜き取られ、県内や県外に横流しされていたということです。
中には、被害額が20億円を超えるとみられるルートもありました。
第2ルート事件の裁判
3つのルートのうちの1つ、鹿児島県にカツオを横流したとされるいわゆる第2ルート事件の裁判が静岡地裁で25日行われました。
起訴されているのは、神奈川県の運送会社元社長の男(49)、焼津市の水産加工会社元社長の男(57)、別の水産加工会社社員の男(47)の三人です。
三人はおととし3月、焼津漁港で冷凍カツオおよそ10.7トン(=時価176万円相当)を盗んだ罪に問われています。
運送会社の元社長の男と水産加工会社元社長の男はいずれも起訴内容を認めていて、運送会社の元社長の男は25日の被告人質問で次のように話しました。
「100万から200万ぐらい受け取った」
検察:
「どうしてカツオの窃盗をしたと考える?」
運送会社元社長:
「周りの人たちにだまされた。(窃盗を)やっている人たちに運んでくれと言われ、そこでやっていけるなという甘い考えがあった。そこで盗んでしまったのは良くなかった」
そして、唯一起訴内容を否認している水産加工会社元社長の指示があったと証言しました。
裁判官:
「水産加工会社元社長から具体的な指示を受けていたと言っていたが、それはどんな指示?」
運送会社元社長:
「持っていく場所や降ろす場所、魚のサイズを指示された」
裁判官:
「水産加工会社元社長から受け取った報酬は?」
運送会社元社長:
「100万から200万ぐらい」
刑事裁判が続く一方で、窃盗被害にあった船会社が漁協などに対して損害賠償を求め提訴していて、来月にも複数の船会社が損害賠償請求を起こす方針です。
冷凍カツオ水揚げ量日本一の焼津ブランドを失墜させた事件は、刑事、民事両面で責任や原因が追及されることになります。