【リニア】「(トンネル)掘りながらというのはできないのか」大井川の水と南アルプスの自然環境について議論 水利権について協議する会議が7年ぶりに開催

リニア中央新幹線の工事が環境に及ぼす影響を協議する会議が開かれ大井川の水問題と南アルプスの自然環境の保全について静岡県の専門部会の委員らが意見交換しました。

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【リニア】「(トンネル)掘りながらというのはできないのか」大井川の水と南アルプスの自然環境について議論 水利権について協議する会議が7年ぶりに開催

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 この会議はリニア工事が環境に及ぼす影響を継続的に確認・評価するために設置されました。

 2年ぶりの開催となった30日は県の専門部会の委員や大井川の利水団体などが出席しました。

 会議ではリニアを巡る最近の動きや、国の有識者会議の状況を共有し意見交換が行われました。

 地域振興を望む井川地区の委員からは今後のことはトンネルを掘りながら考えればいいのではという意見が上がりました。

井川自治会連合会会長 栗下浩信委員:
「そろそろどこかでスタートしていいのかなと、議論じゃなくて掘りながらということはできないもんでしょうかね」

県 石川英寛政策推進担当部長:
「掘ってみて取り返しがつかなくなかったとなれば我々も困る。それぞれの論点についてしっかり議論した上で話をしてまいりたい」

 県はボーリング調査について全量戻しの方策が示された上で生態系や発生土の問題が解決し、地元の理解を得られることが条件という姿勢を示しました。

森貴志副知事:
「工事の一環としてという認識が我々にあるので、水問題が解消されていない中、工事を進めることについて疑問がある。調査方法についてはJR東海の提案等も検討していきたい」

水利権について協議する会議も開催

また午後には島田市で東京電力田代川第二発電所の水利権について協議する会議が7年ぶりに開かれ、冬の発電施設の維持流量について報告されました。

 会議は現在の水利権の内容で合意した2015年以来およそ7年ぶりに開かれ、県や東京電力のほか大井川流域市町の市長町長も出席しました。

 JR東海は水の全量戻しの方策として田代ダムの取水を抑制する案を提案していて東京電力が示す冬における発電施設の維持流量の検証結果が注目されていました。

 協議会ではこれまでに配管の凍結を防ぐために大井川の流量が少ない冬場も毎秒1.62トン取水することで合意。

 会議では冬に発電施設を維持するために必要な流量について東京電力から検証結果が報告されました。

 東京電力によりますと凍結を防ぐために必要な発電機2台のうち1台での運転が可能かどうか検証を行った結果、1台でも配管の凍結には至らず設備の維持には最低毎秒0.81トンが必要だと分かったということです。

東京電力リニューアブルパワー甲府事業所 稲葉真志所長:
「1台で運転を行って凍結しなかったという結果が出たということと、機械も特に異常があることもなく、但し書きについては今回は不要ではないか」

 ただ東京電力は発電を行うためにはある程度な量は維持していきたいとの考えを示しています。

 現在の水利権は3年後に更新される予定で協議会は水利権の許可期間や河川維持流量について引き続き協議する方針です。

画像: 水利権について協議する会議も開催