4期連続監督が途中交代のJ1清水エスパルス…「新スタジアム構想は成績に関係なく進めるの?」 市長の答えは… 静岡市
静岡市 田辺信宏市長
「私の肌感で言いますと、清水で聞けば、やはり市民の皆さんは老朽化したスタジアムを良いものにしてほしい、アクセスの良いところにしてほしいという思いが強いと感じています。きのう(6日)、日本のブラジル戦、ご覧になりましたか? 雨の中の試合でしたね。やはり新しいエスパルスのスタジアムは観客席がJ1ライセンスに合致するように、雨の中でも濡れないでサッカーの試合を観戦できるような環境を整えていきたいと思っています」
エスパルスの本拠地「IAIスタジアム日本平」は老朽化に加えJリーグの施設基準を満たさず
静岡市が所有する、清水区の「IAIスタジアム日本平」。サッカーJ1清水エスパルスの本拠地となっていますが、老朽化に加え、屋根のカバー率がJリーグの施設基準を満たしていないことから、クラブや市民から新しいスタジアムの整備を求める声があがっています。
有力な候補地になっているのが、JR清水駅前にある石油元売り大手・エネオスが所有している土地です。広さは、およそ13万平方メートル。駅からわずか100メートルほどと立地は抜群で、今は利用されていない遊休地です。
市民は…
静岡市民 10代男性
Q.新スタジアムは駅前が候補としてあがっているが、賛成?反対?
A.「賛成です。近くにできたらたくさん見に行けるのでうれしいです。人がいっぱい来るといいなと思う」
静岡市民 20代女性
「バスでIAIスタジアムに行かないといけないと思うんですけど、清水駅の近くにできるとなると、交通の便も便利なので、近くにできたらいいなと思います」
Q.税金がスタジアムに使われることに関しては?
A.「それは全然いいと思います。この地域の活性化にもつながると思うので、そこに関しては私たちも協力していくべきなのかなと思う」
3月下旬にはエネオスの大田勝幸社長(当時)が田辺市長を訪問。関係者によりますと、この場で新スタジアム構想も話に上がり、エネオス側から否定的な反応はなく、好意的な受け止めがあったといいます。
「どこの企業がこれだけ巨額な資金を出すのか」
しかし、今後ネックとなりそうなのが、スタジアム建設にかかる巨額の費用です。
静岡市 田辺信宏市長(3月15日)
「公民連携の形で臨みたいと思います。まず、その前に候補地をきちんと確定するという作業があるかと思います」
民間の力も借りて、計画を進めていく考えを示している田辺市長。ただ、数百億円規模が見込まれるスタジアム建設が実現するのか、懐疑的な声もあります。
ある自民党関係者は「どこの企業がこれだけ巨額な資金を出すのか。田辺市長の選挙向けの話だろう」と話しています。
「もっと有意義な税金の使い方をしてほしい」
清水の街で聞いても、賛成意見だけではありません。
静岡市民 20代女性:
「IAIスタジアムがあって、そこでも結構盛り上がっているので、そこでやっていただければと思います。スタジアムを作るよりも、もっと先にやることがあるんじゃないかなと思うので、そんなに強くは言えないが、このご時世に合わせて、もうちょっと有意義な税金の使い方をしてほしいと思う」
前回2019年の市長選で、新しいサッカースタジアムの構想づくりを公約に掲げていた田辺市長。それから、およそ3年。市は今月にもサッカースタジアムに関する検討委員会の初回の会合を開く予定で、複数の候補地を検討した上で、秋ごろに市民から意見を募る予定です。
4期連続監督が途中で退任…「新スタジアム構想は成績に関係なく進めるの?」
一方、きょうの会見で記者からはこんな質問も―
Q. 清水エスパルスの平岡監督が解任されました。シーズン途中の監督退任が常態化していることをどう評価されていますでしょうか?
静岡市 田辺信宏市長「シーズン途中の監督の交代はとても残念です。でもまだまだ先はあります。チームを立て直し、そして強いエスパルスとして巻き返しを図っていただきたいということを、市民やサポーターの皆さんとともに応援していきたいと思っています」
この会見の直後、清水エスパルスは平岡監督の後任として、ブラジル人のゼ・リカルド氏が就任すると発表しました。リカルド氏は現在51歳。直前までブラジル2部のクラブで監督を務めていて、Jリーグでの監督は初めてです。
4年連続シーズン途中での監督交代となったエスパルス。直近のリーグ戦では、アウェーで今シーズン初の3連敗で7敗目を喫しています。18クラブ中、現在16位とチームの立て直しは急務です。
Q.新スタジアム構想はエスパルスの成績に関係なく検討を進める考えでしょうか。それとも今のような成績低迷やJ2降格に伴い、市民の不満が高まるようであれば新スタジアムの実現は遠のくとお考えでしょうか?
静岡市 田辺信宏市長:「行政の立場からすると、成績に関わらず首尾一貫して検討を進めていきたいと思っています」
Q.成績の低迷に伴い市民の理解が得られるかどうかについては?
A.「そうですね。それは市民の皆さんのこれからの世論の動向を見守っていきたい」
(6月7日放送)