静岡市清水区の桜ヶ丘病院移転問題 JR清水駅東口公園に2023年度中の開業目指す
午後、都内で協定書を交わしたのは、静岡市の田辺市長とJCHOの尾身茂理事長です。清水区の桜ヶ丘病院の移転問題をめぐっては、11月、市はJR清水駅東口公園を含む清水駅周辺の4つの土地をJCHOに提示していました。
これに対し、JCHOはJR清水駅東口公園に2023年度中の開業を目指すことで、協定を結びました。この土地は市が清水庁舎の移転予定地としていたため、すでに土地の調査が終わっていて、早期の移転が可能だと判断しました。
JCHO 尾身茂理事長:「1点は病院に期待される役割を果たせるだけの敷地面積が確保できること。2点目は現病院で最新補強工事を実施する場合と同程度の期間で、新病院を開院できること。この2点を中心に検討し、清水駅東口公園を選択した」
静岡市 田辺信宏市長:「この清水の桜ヶ丘病院の移転問題は、四半世紀以上の長きに渡る、旧清水市以来の行政課題であった。この桜ヶ丘病院が存続、そしてさらなる発展ができるという合意ができたことを大変喜んでいる」
移転工事は来年から始まる予定で、東口公園の土地を、病院が当初の移転予定地として所有している清水区大内新田の土地と交換することを軸に協議が進められます。
敷地面積は市が提示した4300平方メートルより広い4900平方メートルで、病院の規模はベッド数150床を予定しています。また、JCHOは市に対し、救急診療を担うために必要な内科の常勤医師を最低5人確保するなど引き続き医師確保への支援を求めました。
ただ、東口公園は津波浸水区域に指定されていて、移転先について疑問視する市民の声も少なくありません。
尾身理事長:「津波の条件は現清水庁舎とほぼ同じ。津波等の被害等に関する情報提供を受けて、しっかりと津波対策を講じて」
今回の協定で、同じ場所に移転を目指す清水庁舎の移転計画は練り直しを迫られることになりました。ただ、田辺市長は東口公園の残りの土地に清水庁舎の建て替えができるのかも検討するとして、計画の見直しについて明言を避けました。
田辺市長:「市民の皆様に対して、どうしてこういう結論になったのか、説明責任を果たしていきたい」